【4月21日 CNS】2026年の政府活動報告では、独占禁止と不正競争の防止を強化し、公正競争の観点から政策や制度を事前に点検する仕組みをより厳格に運用する方針が示された。また、生産能力の調整、基準による誘導、価格取り締まり、品質監督などを総合的に活用し、企業どうしの過度な消耗戦のような過当競争を是正し、健全な市場環境を整備するとしている。2025年の独占禁止の監督・法執行では、市場監督当局が22件の独占案件を処理し、没収・罰金額は計6億5300万元(約150億5282万円)に上った。

では、今年の独占禁止政策の重点はどこにあるのか。国家市場監督管理総局競争政策協調司の担当者がこのほど取材に応じ、その方向性を説明した。

◾️地方保護と市場分断の是正

同担当者によると、2026年は重点分野での監督と法執行を引き続き強化し、企業の健全な発展を守るための独占禁止の特別対策を実施する。医薬など生活に密接に関わる分野では厳しい取り締まりを維持し、電力や水道などの公益分野の監督も強化する。また、企業の合併・買収に対する審査を適切に行い、その質と効率を高めていく。

地方ごとの保護主義や市場の分断を是正するため、行政機関が権限を乱用して競争を妨げる行為への対策を一層強化し、全国統一市場の構築を後押しする。具体的には、重点案件を集中的に取り締まる特別行動を展開し、公正競争を妨げる制度や慣行の見直しを進める。さらに、注意喚起や是正勧告、行政指導などを通じて、市場競争への不当な介入に対し厳しい姿勢を維持する。政策の抜き取り調査や通報対応も強化し、公正競争のルールが実際に機能するよう監督体制を強める。また、改正された関連規定の運用を徹底し、違法行為への処罰と責任追及を強化することで、抑止力を高める。法執行案件の公表も進め、どこまでが許されるかの基準を明確にしていく。

◾️プラットフォーム経済の独禁監督を強化

近年、中国ではプラットフォーム経済が急速に発展する一方で、競争上の問題も目立つようになっている。同担当者は、2026年はこうした課題への対応を進め、プラットフォーム経済に対する独占禁止の監督を常態的に強化し、イノベーションと健全な発展の両立を図ると説明した。

具体的には、各分野の競争状況を継続的に把握し、独占が疑われる動きを早期に察知して適切に対応する。また、予防的な監督手段を充実させ、注意喚起や勧告などを通じて問題の未然防止を図ることで、公正な競争環境を維持する。

そのうえで重点分野に絞った対応も進め、独占の疑いがある案件については速やかに調査に着手する。特に、業界内の過度な消耗戦を招く行為、プラットフォーム上の出店事業者の発展を圧迫する行為、消費者の利益を損なう行為などに重点的に対応する方針だ。これにより、プラットフォーム企業、出店事業者、働く人のすべてが利益を得られる環境を整え、品質に見合った適正な価格と健全な競争が成り立つ市場を目指す。

また、独占禁止に関するコンプライアンスの意識向上にも力を入れ、プラットフォーム企業に対して法令順守の責任を徹底させる。今後も有効な措置を講じ、企業のコンプライアンス能力の向上を促し、イノベーションと健全な発展を支える市場環境づくりを進める。

◾️誰もが支える公正競争の環境づくり

広報面では、微博(ウェイボー、Weibo)や微信(ウィーチャット、WeChat)、抖音(Douyin)などの新メディアを活用し、情報発信の強化を図る。同担当者は、これは従来の一方的な情報公開から、双方向で分かりやすい情報提供へと転換する取り組みであり、行政運営の質を高め、ビジネス環境を改善するうえでも重要だと指摘した。

これらのプラットフォームを通じて、政策や法制度の分かりやすい解説、法執行の進捗状況の公表などを行い、企業や一般の人びとに対して、より分かりやすく利用しやすい情報サービスを提供する。

継続的かつ多角的な情報発信を通じて、公正競争の考え方を広く浸透させ、企業の法令順守を促すとともに、社会全体で公正競争を支える環境づくりを進めていく。これにより、高水準の市場経済体制の構築と、経済の質の高い発展を支えていくとしている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News