甘粛・臨沢のアタパルジャイト、土から金への「七十二変化」・中国
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【4月17日 東方新報】非常に利用価値の高い粘土鉱物「アタパルジャイト」資源の集積地・甘粛省(Gansu)張掖市(Zhangye)臨沢県では、すでに13億5000万トンの埋蔵量が確認され、見込み埋蔵量は34億トンを超えると推定されている。現在、「千種の用土、万土の王」と呼ばれるアタパルジャイトは、科学技術イノベーションで「土」を「金」に変える「七十二変化」(孫悟空の神通力の名前)を実現し、農業改良、環境保護、新材料製造など多分野における「黄金資源」となっている。
臨沢県のアタパルジャイト鉱床は主に板橋鎮の正北山(Zhengbeishan)、陽台窪などに集中し、面積は約300平方キロにおよぶ。湖沼堆積によって形成された鉱層は、採掘が容易で交通の便が良く、開発コストが低いだけでなく、亜鉛、セレン、ホウ素、ストロンチウムなど20種類以上の微量元素を豊富に含み、モンモリロナイト、イライトなどのナノ粘土鉱物の特性も併せ持つことから、産業の高付加価値化に向けた開発に対し先天的な優位性を持っている。
過去には、精製技術の限界と応用分野の偏りから、この恵まれた資源の優位性は十分に生かされてこなかった。臨沢県重点プロジェクトサービスセンターの李鑫(Li Xin)主任は「県では近年、アタパルジャイト産業を県の基幹産業として重点的に育成し、科学技術による付加価値向上、サプライチェーンの拡充と補完、クラスター化した発展を推進することで、粗放的な利用モデルを打破し、一次加工から高付加価値利用への飛躍的なアップグレードを実現した」と述べた。
資源を持ちながら活路を見出せなかった状態から、「土」を「金」に変えて産業を興すまでになった。李氏の説明によると、現在、臨沢県には完全なアタパルジャイトの全産業チェーンが構築され、産業パークには一次加工と科学技術イノンベーションという二つの機能区が配置され、関連企業14社が集積している。このうち、規模以上の企業(中国の統計で対象とされる一定の営業額を満たす企業)と省級「専精特新企業」(専門性、精密性を備え、特色あるイノベーション型企業)はそれぞれ2社で、主力製品は肥料、飼料、環境保護材料などであり、年間生産額は3億元(約69億3900万円)に達し、産業規模はすでに初期段階を形成している。
近年、臨沢県のアタパルジャイト企業は技術研究開発を深く掘り下げ、6大カテゴリー42種の関連特色製品を市場に投入した。そのうち4製品は省級新製品に選定された。「臨沢県奮君鉱業」が開発した「アタパルジャイト系アルカリ性土壌改良剤」は、甘粛省工業優秀新製品賞を受賞し、同県の産業イノベーションを象徴する輝かしい「名刺」となっている。
農業分野では、アタパルジャイト由来の土壌改良剤や有機肥料が大きな成果を上げている。「臨沢県奮君鉱業」は、同社が開発した「塩地宝」「砂地宝」などの製品が、臨沢とその周辺地域のアルカリ性土壌や砂漠化した土地の改良に効果を発揮し、耕地の質と収穫効率の向上を支援している。関連の肥料製品は同県で重点的に普及が進み、農業の持続可能な発展の基盤を固めている。
農地での活躍に加え、環境保護の分野では、アタパルジャイトが汚水処理の「グリーンフィルター」に変身している。2500トンの水処理用多媒質生物ろ過材の生産ラインが稼働し、水質浄化に大きく貢献している。同時に、アタパルジャイトをゴム・プラスチックや石膏などの製品に添加することで、製品性能を大幅に向上させ、産業への応用の幅を広げている。
多分野での応用が次々と実現するにつれ、臨沢県のアタパルジャイト産業の規模は拡大し、経済効果はますます顕著になっている。李主任は「現在、臨沢県のアタパルジャイト産業の規模は10億元(約231億3000万円)を突破し、中国西北地区における重要なアタパルジャイト産業基地となっている。300人以上の地元住民に雇用をもたらしただけでなく、県の工業経済の質的向上と効率増加を推進し、質の高い発展を支える『工業の背骨』として大きく成長している」と話している。
さらに臨沢県は、既存の産業基盤を踏まえ、イノベーションと高度化への歩みを止めることなく、アタパルジャイト研究開発センター、産業技術イノベーション戦略連盟などのプラットフォームを活用し、科学研究への投資を継続的に拡大している。「産学研用」(産業・学校・研究機関・ユーザー)の融合を深め、アタパルジャイトのさらなる応用の可能性を探求することで、産業の高級化、精細化、グリーン化への発展を推進している。
李主任によると、アタパルジャイトは天然の一次元ナノスケールで層と鎖を組み合わせた構造を持つ含水マグネシウムアルミニウムケイ酸塩粘土鉱物であり、その独特な棒状結晶形態と細孔構造から、業界では「非金属鉱物」(精錬して金属元素を取り出すことを目的とせず、その化学的・物理的性質を直接利用する鉱物)の中の「レアアース」と呼ばれているとのことだ。(c)東方新報/AFPBB News