【1月15日 東方新報】中国地質調査局は8日、中国のリチウム探査の躍進の成果で、リチウム埋蔵量の世界シェアが6パーセントから16.5パーセントに増加し、世界順位が6位から2位に上昇したと発表した。新エネルギー自動車の生産能力が強化された。

 中国は2021年以降、全国的にリチウム探査を強化し、四川省(Sichuan)、青海省(Qinghai)、江西省(Jiangxi)、および新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)、内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)などで、新たに3000万トン以上のリチウム鉱石を確認した。

 地質調査局の説明によると、21年に開始されたリチウム探査は同局の主導で実施され、 湖南省(Hunan)、江西省、内モンゴル自治区で約1000万トンのリチウム雲母(レピドライト)鉱石、青海省で約1000万トンの塩水型リチウム鉱石、新疆ウイグル自治区で1000万トンのスポジュメン型リチウム鉱石など、一連の新しいタイプの鉱石が発見された。

 地質調査局の発表によると、レピドライトからリチウムを抽出する技術の飛躍的な進歩により、新たに発見された1000万トンのリチウム資源は、より低コストで、より高い利用効率で採掘できるようになった。また、低コストで低汚染として知られる塩湖からのリチウム抽出により、リチウム資源は大幅に増加した。

 塩水型リチウムに関しては、中国は塩湖から1400万トン以上のリチウムを確認しており、南米の「リチウム・トライアングル」と呼ばれるアルゼンチン、ボリビア、チリと米国西部地域に次ぐ世界第3位のリチウム資源拠点となっている。

 リチウムは現在、家電製品だけでなく、電気自動車や定置型エネルギー貯蔵システムにも使用されるバッテリーの主要成分となっている。EV市場の急速な成長に伴い、リチウムの世界的な需要と市場価格は劇的に上昇し、中国の新しいエネルギー自動車の生産に大きなコスト圧力を与え、産業の発展を妨げている。

 地質調査局は「リチウム探査におけるこの大きな進展は、中国のリチウム資源の供給不足を大幅に緩和し、輸入への依存度を減らし、産業チェーンの安全性を高め、世界のリチウム資源の状況を再形成するだろう」と述べている。(c)東方新報/AFPBB News