【3月27日 AFP】欧州連合(EU)欧州議会は26日、移民(1年以上滞在する外国人)規制強化の一環として、不法移民により厳しい罰則を科し、域外の「送還拠点」への追放を可能にする法案を可決した。

これらの措置は人権団体から批判されているが、27か国から成るEU全体で移民抑制を求める声が高まっている。

同法案は中道右派と極右の支持を得て、賛成389、反対206で可決され、最終承認に向けて一歩前進した。

イタリアの極右ジョルジャ・メローニ首相は、同法案の可決を「送還をより効果的にし、国境管理を強化し、最終的に欧州により信頼できる移民政策をもたらすための重要な一歩だ」と称賛した。

同法案が法律として成立すれば、難民認定申請で不認定となった移民を収容する「送還拠点」をEU域外に開設することができるようになる。

さらに、退去を拒む不法移民に対し、拘留や入国禁止を含むより厳しい罰則を科すことも可能となる。

この法案は物議を醸している。

欧州議会の中道左派会派「社会・民主主義進歩連盟(S&D)グループ」に属するイタリアのセシリア・ストラーダ議員は、「こうした恐るべき法律は、私たちの社会をむしばみ、恐怖を増大させ、罪のない人々が投獄や強制送還への恐怖から身を隠さざるを得なくだろう」と述べた。

フランスやスペインなどは、国際救済委員会(IRC)が「法のブラックホール」と呼ぶ送還拠点の有効性に疑問を呈している。

IRCのマルタ・ウェランダー氏は、「送還拠点はEU域外に設置されるため、政策立案者は収容される人々の権利が守られることを保証できない」と述べた。

一方、デンマーク、オーストリア、ギリシャ、ドイツ、オランダなどは、送還拠点の設置に向けて計画を推進し、さまざまな選択肢を検討しているとされる。

ドイツのアレクサンダー・ドブリント内相は送還拠点の設置について、「われわれは断固たる決意をもってこの道を歩み続け、年内に第三国との合意に達することを目指している」と述べた。

欧州全域で移民に対する世論が悪化し、極右政党の躍進を招いていることを受け、各国政府が移民政策の厳格化に努めている。

2025年に移民の流入数が減少したことで、EUは送還制度の改善に焦点を移している。現状では、出国命令を受けた不法移民のうち、実際に出身国に送還されるのは約20%にすぎない。(c)AFP