【3月26日 AFP】国連のアントニオ・グテレス事務総長は25日、イスラエルとイスラム教シーア派組織ヒズボラの武力衝突をめぐり、パレスチナ自治区ガザ地区が辿(たど)った壊滅的な運命をレバノンで繰り返してはならないと強い懸念を表明した。

グテレス氏は記者団に対し、「ガザでの惨劇をレバノンで繰り返してはならない」と強調。米国とイスラエルによるイラン攻撃と最高指導者の故アリ・ハメネイ師の殺害を機に、中東全域での戦闘が「制御不能」な状態に陥っていると指摘した。

同氏は「地域全体で民間人が深刻な被害に耐え、極めて不安定な状況下での生活を強いられている」とし、最近のレバノン訪問でその惨状を目の当たりにしたと述べた。また「ヒズボラは対イスラエル攻撃を、イスラエルは民間人に甚大な打撃を与えているレバノンでの軍事作戦を、それぞれ即時停止すべきだ」と訴えた。

イスラエルの右派スモトリッチ財務相は今月、ヒズボラの拠点であるベイルート南部に対し、ガザと同様の壊滅的打撃を与えると発言をしていた。

グテレス氏は「紛争は指導者たちが想定した限界を超えてしまった」と警鐘を鳴らし、広域戦争の拡大が世界経済へ深刻なショックを与えるとの見方を示した。また、紛争とその影響に関する国連の取り組みを主導する特使として、フランスの外交官ジャン・アルノー氏を任命したと発表しました。(c)AFP