1年で3.6万人強制移動、西岸でイスラエルの入植地急拡大 国連
このニュースをシェア
【3月17日 AFP】国連は17日、ヨルダン川西岸地区におけるイスラエルの急激な入植地拡大を直ちに停止するよう求め、1年間で3万6000人以上のパレスチナ人が避難を強いられたとして「民族浄化」の懸念を表明した。
2025年10月31日までの12か月間を対象とした国連人権事務所の最新報告書は、西岸での不法な入植地の加速度的な拡大と併合が「前例のない」規模で人々の立ち退きを引き起こしていると警告した。
報告書は「占領下の西岸地区で3万6000人以上のパレスチナ人が移動を強いられている。これは前例のない規模で行われているパレスチナ人の集団追放で、国際人道法で禁止されている不法な移送に相当する」と指摘。
また、ガザ地区での広範な避難と並び、「西岸全域での大規模な強制移送を目的とするイスラエルの政策を示唆しており、恒久的な追放を狙った民族浄化の懸念を抱かせるものだ」と断じた。
報告書によると、イスラエル当局は占領下の東エルサレムで3万6973戸、西岸地区のその他の地域で約2万7200戸の入植者向け住宅建設を推進、または承認した。また、この12か月間に「84件という前例のない数の入植拠点が西岸地区に設置され、総数は300件を超えた」としている。
西岸地区には約300万人のパレスチナ人が暮らしているほか、国際法で不法とされるイスラエル人入植者が50万人以上いる。
パレスチナ保健省の統計に基づくAFPの集計によると、2023年10月のガザ戦争開始以降、西岸地区ではイスラエル軍や入植者によって少なくとも1045人のパレスチナ人が殺害された。一方、イスラエル側の発表によると、同時期、兵士や民間人を含む45人のイスラエル人が死亡した。
国連は調査期間中、死傷者や物的損害をもたらした入植者による暴力行為を1732件記録した。前年の1400件から大幅増となった。
報告書は「入植者による暴力は、組織的かつ戦略的で、ほとんど阻止されることなく継続しており、イスラエル当局が中心的な役割を果たしている」と指摘している。
国連のボルカー・ターク人権高等弁務官はイスラエルに対し、「即座に入植地の設置と拡大を完全に停止」し、「すべての入植者を撤退させ、パレスチナ領土の占領を終わらせる」ことを求めた。(c)AFP