コンゴで中国所有コバルト処理プラントからの二酸化硫黄で公害、流産や先天性異常も 報告書
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【3月11日 AFP】コンゴ民主共和国(旧ザイール)で中国が所有するコバルト鉱山・処理プラント(選鉱場・精錬所)から排出された二酸化硫黄による公害が、地元住民に「公衆衛生危機」を引き起こしている。環境保護団体「環境調査機関(EIA)」が10日、発表した。
コンゴは世界のコバルト供給の70%以上を占める。コバルトは電気自動車(EV)のバッテリーに使われるため、需要がますます高まっているが、「クリーン」をうたうEVへの移行が、環境と人道に多大な犠牲をもたらすのではないかとの懸念が長年にわたり存在していた。
EIAによる3年間の調査によると、2023年にコンゴ南東部のテンケ・フングルメ鉱山が操業を開始して以来、地域住民が鼻血、せき、吐血などの症状に悩まされているほか、流産や先天異常も報告されている。
EIAの報告書「有毒な移行」によると、銅・コバルト鉱石の加工過程で発生する有毒ガスである二酸化硫黄の濃度が国際基準を大幅に上回っていることが明らかになった。
テンケ・フングルメ鉱山は、世界のコバルトの約半分を生産する中国のCMOCグループ(洛陽欒川モリブデン業集団)が所有している。
EIAによると、この処理プラントは1日当たり3万トンの銅コバルト鉱石を処理し、バッテリーセル用の水酸化コバルトに変換することができる。
近隣住民は2023年以降、この処理プラントに関連する呼吸器疾患や妊婦の健康被害の増加について懸念を表明している。
EIAは地元の診療所の匿名化された1200件以上の公衆衛生記録を調査し、処理プラント開設以来、鼻血、長引くせき、吐血などの症状を呈する患者が「驚くべき割合」で発生していることを発見した。
報告書は、CMOCによるテンケ・フングルメ鉱山の操業が「今回の危機の根底にある大規模な二酸化硫黄排出を引き起こしたようだ」と指摘している。
CMOCの子会社で、この鉱山を運営するテンケ・フングルメ・マイニングは、安全な操業と近隣住民の懸念への対応に尽力していると述べた。
同社は、2024年後半から2025年初頭にかけてのモニタリングデータでは二酸化硫黄濃度が規制値内であり、工場の拡張と地域の健康問題の間に明確な関連性は認められていないと主張した。(c)AFP