【3月11日 AFP】欧州宇宙機関(ESA)は、先週末に欧州の上空を横切り、ドイツ西部の住宅の屋根にサッカーボール大の穴を開けたと報じられている「火球」について、調査を行っていることを明らかにした。

この火球は、中央ヨーロッパ時間の8日午後7時(日本時間9日午前3時)直前に約6秒間にわたり、ベルギー、フランス、ドイツ、ルクセンブルク、オランダの各地で観測された。

ESAが9日夜に発表した声明によると、火球は小さな隕石に分裂し、その一部がドイツ西部コブレンツにある、住宅少なくとも1軒に直撃した。

ドイツの国外向け公共放送ドイチェ・ウェレの報道では、隕石は市内ギュルス地区にある住宅の屋根に、サッカーボールほどの大きさの穴を開けた。負傷者は報告されていない。

火球が通過する際に「轟音」が聞こえたとの目撃者談もある。

■宇宙からの突然の訪問者

ESAの惑星防衛チーム(PDO)は、収集されたデータの分析を行っている。火球の大きさについては数メートル程度だったと推定された。

この程度の大きさの物体が地球に衝突することは、数週間から数年に一度の割合で発生しているという。ただ、今回の火球については「衝突のタイミングや方向から判断すると、望遠鏡による監視ネットワークでは事前に捉えることが難しかった可能性が高い」とESAは説明している。

実際、このような宇宙からの飛来物体が大気圏に突入する前に事前に発見されたケースは過去に11回しかない。

■月への衝突が懸念された小惑星「2024 YR4」

火球観測の数日前には、別の巨大小惑星「2024 YR4」が2032年に月へ衝突することはないとの発表が行われたばかりだった。

「2024 YR4」をめぐっては昨年、都市を壊滅させるほどの大きさを持つと伝えられ、3.1%の確率で地球に衝突する可能性があると発表されていた。巨大な小惑星が地球に衝突する確率としては過去最も高かった。

その後の観測で地球への脅威は否定されたが、4%の確率で月に衝突する可能性が残されていた。

もし月に直撃すれば、天文学者にとっては空前の衝突現象を観測する機会となるが、その衝撃で飛び散った破片が地球周辺の人工衛星を脅かすことにもなる。(c)AFP