ミケランジェロの未発表作品が眠る「秘密の部屋」 研究者が存在主張
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【3月5日 AFP】ルネサンス期の巨匠ミケランジェロは、自らの作品を後世に守り伝えるため、教え子たちに「秘密の部屋」に隠すよう命じていた――。イタリアの研究者が4日、新たな説を打ち出した。
高名な美術史家ジョルジョ・ヴァザーリによれば、ミケランジェロは1564年にローマで没する直前、膨大な数の素描(ドローイング)やスケッチを自ら焼き捨てたといわれている。
しかし、研究者のバレンティーナ・サレルノ氏は、作品をひそかに隠す計画を裏付ける未公開の文書を見つけたと、ローマで開催された記者会見で発表した。
サレルノ氏はAFPに対し、「見つかった3通の未公開文書のうち1通に、教え子たちが管理していた『部屋』についての記述がある。その起源はミケランジェロ本人まで遡ることができる」と語った。
さらに同氏は、「その部屋には資産(作品)が隠されており、複数の鍵を組み合わせなければ開かない厳重な施錠システムが取られていた。つまり、関係者全員の許可なくしては誰もアクセスできない仕組みだった」と明かした。
10年以上に及ぶ調査で、サレルノ氏はバチカンやイタリア国内、パリなど欧州各地のアーカイブ(古文書保管所)を巡り、文書の足跡を辿ってきた。
同氏がミケランジェロによる「偏執的な計画」と呼ぶその動機は、「彼がひどく嫌っていた甥の手に作品が渡るのを防ぐため」だったとし、「その目的は、貧しく非力な子孫たちが研究を続け、自身の芸術を次世代へと正しく継承するための資料を遺すことだった」と説明した。
この計画に関わった人々は、後に16世紀の「サン・ルカ・アカデミー(Academy of San Luca)」設立に携わったとされており、この美術学校は現在も存続している。
サレルノ氏は、作品を保護するために設計されたこの秘密の部屋が、ローマ中心部にある「サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会」の内部に存在する可能性が高いとみている。