韓国から見る世界競売再編…ビッグ3が美術減速・高級品拡大へ
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【02月28日 KOREA WAVE】クリスティーズ、サザビーズ、フィリップスのいわゆる「ビッグ3」競売会社が、事業構造の転換期を迎えている。美術品販売は依然として売り上げ全体の約6割を占めるものの、高級品(ラグジュアリー)部門が急速に拡大し、収益の重心が移りつつある。
英美術市場分析機関アートタクティックによると、ビッグ3のファインアート売上高は2022年の108億ドル(約1兆6200億円)から昨年は70億4000万ドル(約1兆560億円)へと35%減少した。一方、2025年の公開競売ベースの高級品売上は18億4000万ドル(約2760億円)と前年比18%増加。特にクラシックカーが成長を牽引している。
現在、サザビーズの売り上げの約3分の1は高級品部門が占め、2019年比で約3倍に拡大。クリスティーズでもハンドバッグ、時計、宝石、自動車などが全体の約4分の1を占める。中東をはじめとする新興富裕層市場で高級ブランド需要が急増していることが背景とみられる。
イェール大学で美術経営を講じるマグナス・レッシュ氏は「競売会社は美術の取引所から総合ラグジュアリープラットフォームへと進化している」と指摘。美術に加え、自動車、宝石、不動産、高級消費財までを扱う統合型モデルへの再編が進んでいると分析する。
もっとも、クリスティーズ前CEOのギヨーム・セルッティ氏は「高級品販売の成長が競売会社の本質を脅かすものではない」とし、「多角化はモデルを強化するが、再定義するものではない」との見解を示している。
韓国の主要競売会社も高級品分野への参入を試みてきた。ソウルオークションのオンラインプラットフォームではエルメスのバーキンバッグやロレックスの時計、ダイヤモンド装身具などを出品。Kオークションも一部セッションで時計や宝石、ファッションアイテムを扱い、市場性を探っている。
しかし国内では依然として美術品が売り上げの中心で、高級品部門が独立した収益の柱に成長したとは言い難い。海外大手のように戦略の重心が完全に移行した段階には至っていない。
それでも、世界市場では高級品が新規顧客獲得の入り口となっている点は注目に値する。クリスティーズでは2025年、新規顧客の38%が美術ではなく高級品部門から初購入を実施したという。
「美術は減り、高級品は伸びる」という潮流が続けば、競売会社の収益構造とブランドアイデンティティは長期的に再編を迫られる可能性がある。文化機関としての顔を保つのか、総合ラグジュアリープラットフォームへと変貌するのか。ビッグ3の進路が注目される。
(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News