【3月13日 CNS】中国が重要な裁定を勝ち取った。

このほど世界貿易機関(WTO)は、中国が米国の「インフレ抑制法」をめぐって提起したWTO紛争案件について、パネル(専門家委員会)の報告書を公表した。パネルは、米国のクリーンエネルギー補助金措置がWTO規則に違反すると認定し、米側に対し、当該補助金措置の撤廃を求めた。

この紛争を理解するには、4年前にさかのぼる必要がある。

2022年、バイデン政権は「インフレ抑制法」を制定し、米国産の鋼材などの製品を使用するクリーンエネルギー関連プロジェクトに補助金を付与し、外国製品を排除した。保護主義色が濃い内容だった。

2024年、中国は同法に基づく差別的な補助金措置をWTOの紛争解決手続きに付託した。協議で一致に至らなかったため、中国はWTOにパネル設置を要請した。今回、WTOパネルは米国のクリーンエネルギー補助金の違反性を明確に指摘しただけでなく、米側がいわゆる「公の道徳」を理由に正当化しようとした主張も正面から退けた。

一方的主義が台頭し、ルールが頻繁に「再解釈」される状況の下で、中国にとって今回の裁定は理にかなっており、力強く、かつ有利なものだという。上海WTO事務コンサルティングセンターのオープン戦略計画研究部主任、伍穗龍(Wu Suilong)氏は取材に対し、「まず、今回の裁定は法理面における中国の大きな勝利を意味する」と述べた。米側の措置は、実質的に内国民待遇原則に反し、WTOが明確に禁じる「輸入代替補助金」に当たるという。

法的な実務面から見ても、これは中国が国際経済・貿易ルールを十分に活用し、自国の利益を守る能力を示すもので、今後、同様の貿易保護案件に対応するうえでも有効な支えになる。

次に、この案件は他の加盟国にとって権利救済の手本となり、発展途上国や後発開発途上国の加盟国が多角的貿易体制への信頼を高めることにもつながる。伍氏は、これにより中国は今後のWTO改革や国際貿易ルールの再構築の過程で、より「自信を持てる」ようになるとも述べた。

同時に、今回の勝訴は、中国のクリーンエネルギー産業が海外市場で公正に競争する余地を守ることにもつながった。

対外経済貿易大学(University of International Business and Economics)国際経済研究院の院長、桑百川(Sang Baichuan)氏は取材に対し、「近年、中国はグリーン製造や新エネルギー分野で継続的に力を入れ、先行優位を形成してきたが、こうした発展は貿易保護主義の妨害や衝撃を受けている。今回の裁定は、将来の持続可能な発展は引き続きグリーン・低炭素を方向性とすべきことを示しており、中国がグリーン経済をさらに推進していくうえで重要な支えになる」と語った。

世界のグリーン産業にとっても、今回の裁定の影響はこの案件にとどまらない。

裁定の公表後、米側は自らの保護主義的行為の事実に正面から答えず、逆に「裁定は誤りだ」と批判し、現行のWTOルールでは「過剰生産能力」などの問題は解決できないと主張した。伍氏は、「米国のやり方は世界のクリーンエネルギー産業チェーンの協調効果を損ねる。さらに貿易紛争を増やし、本来協力すべき分野を対立の戦場に変えかねない」と指摘する。クリーンエネルギー産業は高度にグローバル化しており、各国・地域は技術、資源、製造工程でそれぞれ比較優位を持つ。分業と協力を通じて全体の効率を高めるのが本来の姿だという。

ところが「インフレ抑制法」では、米側が「現地調達比率」の要件で産業チェーンを強引に分断し、比較優位の原則にも、貿易自由化の基本的な論理にも反する。その結果、世界のサプライチェーン効率を低下させるだけでなく、グリーン技術の障壁や貿易摩擦を激化させることになると論じている。

こうした状況の下で、WTOの今回の裁定は、グリーン保護主義が広がる流れを効果的に食い止めるものだという。環境目標は差別的補助金の口実になり得ず、グリーン発展も公正とルールから逸脱してはならないということだ。中国商務部の報道官は5日、米国に対しWTOの裁定を真摯に尊重し、WTO規則に違反する誤った措置を速やかに是正し、行動でルールに基づく多角的貿易秩序を守るよう求めた。

開放と協力は歴史の潮流に沿うものであり、互恵・ウィンウィンこそが人びとの望むところだ。ルールに基づく多角的貿易秩序が守られ、認められるなら、WTOを中核とする多角的貿易体制は機能不全に陥らず、世界により大きな利益をもたらすだろう。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News