【2月25日 AFP】動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」は、日本のインターネットで話題となっている千葉県・市川市動植物園のニホンザル「パンチ」の窮状は、動物園の残酷さを物語っていると指摘した。

パンチは母ザルに育児放棄され、人工哺育で育って群れに戻った子ザルで、他のサルにいじめられ、オランウータンのぬいぐるみに慰めを求める姿を写真に撮られ、一躍有名になった。

PETAのアジア地域担当ディレクター、ジェイソン・ベイカー氏は声明で、「動物園はサンクチュアリ(保護区域)ではない。動物たちが閉じ込められ、自由を奪われ、野生で享受できる複雑な環境や社会生活を否定される場所だ」「一部の人が『かわいい』と呼んでいるものは、実際は、孤立と喪失感に苦しむ、幼い、非常に社会的な霊長類のトラウマを垣間見ているだけだ」と述べた。

さらに、「施設が知覚力のある生き物をアトラクションとして扱うことをやめない限り、パンチのような動物たちは飼育下で苦しみ続けるだろう」として、パンチを「より自然な環境で暮らせる、信頼できるサンクチュアリ」に移すべきだと訴えた。

パンチは昨年7月に生まれた後、母ザルに育児放棄され、飼育員による人工哺育で成長。先月から群れに戻るための訓練を開始した。

パンチの窮状はインターネット上で大きな関心を集め、「#HangInTherePunch(がんばれパンチ)」というハッシュタグを使って応援するムーブメントが広がり、市川市動植物園には大勢の人が詰めかけた。

一方、オランウータンのぬいぐるみを製造しているスウェーデンの家具・インテリア雑貨大手IKEA(イケア)は、「前例のない」関心と、例年よりも「大幅に」高い売上を記録していると述べた。

イケアの大半の店舗を運営する持ち株会社インカ・グループはAFPの取材にメールで回答し、「その結果、現在、日本と米国を含む一部の市場で商品(オランウータンのぬいぐるみ)が品切れとなっている」と述べた。

市川市動植物園はX(旧ツイッター)で、3連休中、ファンがパンチを一目見ようと最大1時間も列を作ったと述べ、23日の来園者数は5200人だったと明らかにした。

現金や物品の寄付の問い合わせも多数あったという。

同園は22日にパンチに関する最新情報を発表し、「2頭のサルに念入りに毛づくろいされるなど、群れに着実になじんできています」と述べた。(c)AFP