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【02月19日 KOREA WAVE】人工知能(AI)が世界経済の構図を揺さぶっている。投資バブル論争が続く一方で、実際の現場では解雇が相次ぎ、生産性は急速に高まっている。問題は、その生産性の飛躍が消費主体の消滅を招く可能性がある点だ。賃金が減り労働が排除されれば、生産は増えても消費が伴わず、経済が自壊するという逆説が生じる。

米国ではビットコインや銀価格の急落、インフレや雇用不安を背景に景気後退への懸念が広がっている。ただし、多くの経済学者は仮に景気後退が訪れても長期化しない可能性があるとみる。AIが幅広い分野に導入され、生産性が質的に跳躍する可能性があるためだ。

スタンフォード大学の経済学者エリック・ブリニョルフソン氏は、AI主導経済が「J字カーブ」を描くと予測する。初期投資段階では生産性への効果は限定的、あるいはマイナスに見えるが、時間が経てば急激な上昇局面が訪れるという見方だ。

しかし、その飛躍は労働の排除を通じて実現される恐れがある。149年の歴史を持つ米紙ワシントン・ポストが大規模な人員削減に踏み切った例は象徴的だ。AIがバブルか否かという議論とは別に、AI導入による生産性向上と解雇は各所で現実となっている。

歴史を振り返れば、技術革新は雇用を奪う一方で新たな職業も生み出してきた。今日の米国労働者の約60%は、1940年には存在しなかった職業に従事しているとされる。

ではAIは新たな雇用を創出できるのか。米起業家のイーロン・マスク氏は、AIが膨大な富を生み出し、仕事は「必要」ではなく「選択」になると主張する。経済的必要性としての労働は終わり、人々は働かずとも高所得を得られる未来を描く。

一方、歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏「役に立たない階層(useless class)」という概念を提示した。アルゴリズムより経済的価値を生み出せないため雇用されない人々の存在を指す。この世界観では、社会秩序と消費経済を維持するためにベーシックインカム(UBI)が不可欠となる。

米オープンAIのサム・アルトマンCEO(最高経営責任者)もUBIを支持し、AI企業の計算資源や資本に課税して財源を確保する未来像を語っている。さらに人類学者のデヴィッド・グレーバー氏は著書『ブルシット・ジョブ』で、現代の多くの仕事は社会的に無意味だと論じた。UBIはそうした「見せかけの仕事」から人間を解放し、より意味のある活動へ向かわせる可能性があるという。

米国では一部地域や民間団体がUBIの実証実験やモデル設計を進めている。AIが生産を担う時代、人間の役割は経済的労働ではなく、社会的意味や尊厳を守ることへと変化するのかもしれない。

AIの逆襲は単なる産業再編にとどまらず、「働くとは何か」という問いそのものを突きつけている。【news1 クォン・ヨンミ記者】

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