【2月7日 AFP】デンマーク自治領グリーンランドをめぐって世界的な緊張が高まる中、ノルウェー国防省管轄の情報機関、ノルウェー情報部(NIS)は6日、北極海に浮かぶノルウェー領スバルバル諸島でロシアと中国がプレゼンスを強化しようとしていると警告した。

NISは年次脅威評価報告書で、「ロシアの観点から考えると、スバルバル諸島の戦略的な立地は、ロシアのプレゼンスを維持することを必要とする」と述べた。

スバルバル諸島で2番目に大きな町で炭鉱の町でもあるバレンツブルクは、住民のほぼ全員がロシア国籍となっている。

NISは、「ロシアがバレンツブルクのノルウェーの供給・輸送インフラへの依存度を低下させようとしている兆候がある」「ロシア船の定期的な寄港は、この方向に向けた計画的な一歩だ」と指摘。

さらに、「中国もスバルバル諸島における自国のプレゼンス強化に取り組む見込みだ」「スバルバル諸島は、将来の北極圏航路と極地研究にとって戦略的な要地にあるが、北極圏航路と極地研究は中国が北極圏で確固たる地位を築く上で中心的役割を果たす」と述べた。

NISは、北極圏で活動する中国の調査船の数を例に挙げ、2023年以前は1隻だったが、2024年には3隻、2025年には5隻に増加していると指摘し、北極圏で中国のプレゼンスが顕著に高まっていると述べた。

NISはまた、グリーンランドと北極圏の安全保障をめぐる米国と欧州の緊張は「ロシアと中国を利する恐れがある」と指摘した。

NISのアンドレアス・ステンソネス部長は報告書の中で、ロシアと中国は「国際協力と国際機関が損なわれる中で」、利益を得る立場にあると主張。

「北極圏でも同じ動きが見られる。ノルウェーの安全保障の基盤の多くが脅かされており、これまでの世界秩序が崩壊しつつあることを受け入れなければならない」と述べた。

ステンソネス氏は記者会見で、米国の行動がロシアと中国の思考と行動に影響を与えたとの見解を示した。

「彼ら(ロシアと中国)の立場に立ってみると、西側諸国の結束はすでに崩れ始めており、近隣地域で影響力を強化し、支配力を確保する絶好の機会となっている」と語った。(c)AFP