「私たちはほとんど知らない」 深海の世界を探る潜水艇
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【2月2日 AFP】インドネシア沖の水深約1000メートルの深海で、新種の生物やプラスチックを分解する微生物、薬の原料となる可能性がある化合物を求めて、ドーム型のキャノピーを持つ有人潜水艇が探査に挑んでいる。
AFPは先月、資産家のレイ・ダリオ氏らが支援する非営利団体オーシャンXが所有する潜水艇に搭乗し、深海探査の同行取材を行った。
2台の潜水艇を搭載する調査船オーシャンエクスプローラーは、遺伝子配列の解析が行える研究室や航空探査用のヘリコプター、水深6000メートルまで潜航可能な遠隔操作無人潜水艇を備えている。
潜水艇には、油圧式の採集アームや吸引管、高精細カメラなどが装備されており、深海での新たな発見が期待されている。
潜水艇による最新の調査では、インドネシアのスラウェシ島沖にある海山列を対象に行われている。昨年地図化された場所で、新しいインドネシアの研究チームが、潜水艇などを使って生物多様性の現地調査を行う。
潜水艇が水深200メートルを超えて下降すると、そこには光の届かない世界が広がっており、藍色だった海は完全な暗闇と化した。
初めて潜水艇に搭乗したインドネシアのバンドン工科大学助教授のフスナ・ヌグラハプラジャ氏は「少し緊張して不安を感じた。とても孤独な環境だ」と語った。
潜水艇のライトが唯一の光源となり、「海洋の雪」と呼ばれる漂流物を照らし出した。これは分解中の生物片などでできた粒子状の物体で、海中に絶え間なく降り注いでいる。
暗闇の中、海洋生物が視界に現れる。光の加減によって虹色に輝くクシクラゲや漂いながら光を放つシフォノフォア(クダクラゲ目:透明で奇抜な形をした生物)だ。潜水艇の後方では、銀色で爪ほどの大きさの魚が素早く泳ぎ去った。