【1月21日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領が、欧州連合(EU)の単一市場に属する国々を含む欧州8か国に対して最大25%の関税を課すと脅したことで、ある疑問が浮上している。果たして、これらの国を個別に標的とすることは本当に可能なのか。

理論上は可能だが、実際にはそう簡単ではない。

同じ質問を受けた欧州委員会のオロフ・ギル報道官は、にこやかに記者団に「深呼吸してください」と促した上で、説明を始めた。

トランプ氏は週末、EU加盟国のデンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、オランダ、スウェーデンに加え、非加盟国の英国とノルウェーに対し、最大25%の関税を課す可能性に言及し、欧州に衝撃を与えた。

しかし、EUは単一市場と関税同盟として機能しているため、理論上は各国に制裁関税を課すことが可能だとしても、米国の輸入業者には悪夢のような事務手続きが発生しかねないという。

■単一市場はどのように機能しているのか?

デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、オランダ、スウェーデンは、他の21か国とともにEUの単一市場および関税同盟に参加しており、加盟国間での物品の自由な移動が認められている。

これはまた、後に米国へ輸出される可能性のあるEU製品が、原産国を追跡されることなく域内を移動できることも意味する。

この自由な移動のため、多くの企業はEU全域で生産された部品を組み合わせて製品を作っている。例えば、スロバキア製の部品を使ってドイツで組み立てられた自動車といった具合だ。

その結果、EU27か国のうち1か国を狙った貿易制限は、理論上、他の加盟国を経由して輸出することで回避される可能性がある。

「ブダペストから米国へのフランス産ワイン、オランダ産チーズ、デンマーク産医薬品の輸出が突然急増するかもしれない」と、あるEU外交官は冗談めかして語った。これは、ハンガリーのオルバン・ビクトル首相とホワイトハウスの良好な関係を皮肉ったものだ。「トランプ氏が、友人のオルバン氏に関税という罰を与えるのか、見ものだ」