【1月21日 AFP】ナイジェリア警察は20日、武装集団が18日に北部カドゥナ州の複数のキリスト教会を襲撃し、信者数十~百数十人を拉致したことを認めた。警察は当初、事件を否定していた。襲撃時、各教会ではミサが執り行われていた。

キリスト教団体の幹部と地元村長は19日、AFPに対し、18日に複数の教会が襲撃され、160人以上が拉致されたと証言した。国連向けに作成された治安報告書には、複数の教会が襲撃され、100人以上が拉致されたと記されている。

カドゥナ州の警察長官と当局者2人は当初、治安部隊が現場を確認したが拉致の証拠は見つからなかったとして事件を否定。うち1人は事件報道は「全くのうそ」だと断言していた。

だが、国家警察のベンジャミン・フンデイン報道官は20日深夜の声明で、「拉致」事件が発生し、「被害者の所在確認と無事な救出、そして同州の平穏回復に明確に焦点を当てた」治安作戦を開始したと述べた。

さらに、カドゥナ州の警察長官と当局者2人の発言について、「事実確認を進める間、不必要なパニックを防ぐ意図があった」と釈明。

「これらの発言は広く誤解されているが、事件を否定するものではなく、現場からの詳細な情報、特に被害者の身元や人数の確認を待つ間の慎重な対応だった」「その後の作戦部隊や情報筋による検証で、事件は実際にあったことが確認された」と付け加えた。

ナイジェリア北部のキリスト教団体は、拘束された177人のリストを提出したと発表した。

ナイジェリア北部キリスト教協会のジョセフ・ハヤブ会長は20日、「われわれ拉致された177人の名前を提示した。それが事実であることに異論はない」「これほどの人数が拉致されていて事件がなかったはずがないのに、それを闇に葬れると考えているのか」とAFPに語った。

さらに、「負傷しながらも逃走に成功した者」の証言もあると付け加えた。

ナイジェリアでは大規模な拉致事件が相次ぎ、キリスト教徒もイスラム教徒も関係なく連れ去られている。

国家による統制が及んでいない北西部と中部の農村部では、「盗賊団(バンディッツ)」と呼ばれる重武装した犯罪組織が跋扈(ばっこ)し、村々を襲撃しては住民を殺害したり、身代金目的の大規模拉致を実行したりしている。

昨年11月にも、武装集団がナイジャ州のカトリック系寄宿学校を襲撃し、生徒と教師300人以上を拉致。そのうち50人が自力で逃走し、残りは数週間後に2回に分けて解放された。(c)AFP