【1月17日 AFP】フランスの出版大手アシェットは16日、2023年10月7日のイスラム組織ハマスの攻撃によるイスラエル人犠牲者を「ユダヤ人入植者」と表記した辞書を回収し、すべての教科書と教材を見直すと発表した。この表記は反人種差別団体が発見・指摘した。

同社はAFPに対し、11~15歳向けのラルース辞書の3種類の改訂版にも、同じ表記が含まれていたと語った。

辞書にはフランス語で、「2023年10月、ハマスによる一連の攻撃で1200人以上のユダヤ人入植者が死亡したことを受け、イスラエルは経済封鎖を強化し、(パレスチナ自治区)ガザ地区の大部分に侵攻することを決定し、同地区で深刻な人道危機を引き起こした」と記されている。

ハマスはイスラエル史上最悪の攻撃で、ガザ近くの入植地と音楽フェスティバルで約1200人を殺害した。

「ユダヤ人入植者」とは、パレスチナ人の土地を不法に占拠して居住するイスラエル人を指す言葉だ。

アシェットは問題視された表記を含む書籍4種類について、直ちに販売を中止しており、回収・破棄すると発表。「教科書、教材、辞書の徹底的な見直し」を約束した。

2023年末に超保守派の実業家バンサン・ボロレ氏に買収されたアシェットは、「このような誤りが生じた原因」を究明するため、内部調査を開始。

これらのシリーズの「今後のすべての出版物に対して、新たな強化された検証プロセス」を導入することを約束した。

エマニュエル・マクロン大統領は14日、X(旧ツイッター)への投稿で、フランスの高校卒業資格、大学入学資格試験であるバカロレア対策用の教材が「ハマスによるテロと反ユダヤ主義的な攻撃」に関する「事実を歪曲(わいきょく)している」ことは「容認できない」と述べた。

「フランス共和国に修正主義の余地はない」と付け加えた。(c)AFP