【12月30日 AFP】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は、新型の多連装ロケット砲を製造する工場を視察し、この兵器の「殲滅(せんめつ)力(敵を残らず滅ぼす能力)」を称賛した。国営朝鮮中央通信(KCNA)が30日、伝えた。

KCNAによると、金氏はこの多連装ロケット砲について、自軍の「主力の攻撃手段」となると強調。

「高い精度かつ恐るべき破壊力を持ち、打撃の集中性と不意性で敵を殲滅できる超強力な兵器システムだ」「軍事作戦において、大量に集中して使用することになる」と述べた。

朝鮮戦争の平和協定は結ばれていないため、北朝鮮と韓国は法的には今も戦争状態にある。

北朝鮮の膨大な火砲システム群は、朝鮮半島で戦争が再開した場合の戦略の中核を成すと、アナリストたちは長年考えてきた。

シンクタンク、RANDが2020年に公表した調査で、北朝鮮の火砲システムは、韓国の首都ソウルのような主要な人口密集地を標的とした場合、わずか1時間で1万人の死傷者を出す可能性があると評価されている。

アナリストたちは北朝鮮は近年、ミサイル実験を大幅に増加させていることについて、精密攻撃能力の向上、米国と韓国への対抗、そしてロシアへの輸出を見据えた兵器の試験を目的としているとの見方を示している。(c)AFP