【12月29日 AFP】英国のキア・スターマー首相は29日、拘束を解かれて帰国したエジプト系英国人活動家による「忌まわしい」ソーシャルメディア投稿が明るみに出たことを受け、圧力にさらされた。

英国政府が長年外交努力を重ね、エジプトでの拘束を解かれた活動家アラー・アブデルファタハ氏は、数日前に帰国した。

しかし、同氏がシオニストや警察当局に対する暴力を呼びかけていた過去の投稿が明らかになると、野党保守党は市民権を剥奪しエジプトに送り返すよう求めた。

スターマー氏は26日、エジプトが渡航禁止措置を解除したことでアブデルファタハ氏が英国で愛する人たちと再会できたことを喜んでいるとX(旧ツイッター)に投稿。しかし、2010年にさかのぼるアブデルファタハ氏の投稿内容をめぐり、このコメントの撤回を求められ、保守党の影の法務相ロバート・ジェンリック氏からはアブデルファタハ氏の市民権を剥奪するよう迫られた。

ジェンリック氏はXに、「もし首相が本当にエル・ファタハ(アブデルファタハ)氏が過激派であることを知らなかったのであれば、到着に『喜び』を表明した彼のコメントを直ちに撤回し、市民権を取り消し、国外追放するための手続きを開始すべきである」と投稿した。

英外務省は「エル・ファタハ氏は英国市民である、歴代の政府において、拘束からの解放と英国での家族との再会を目指すことが長年の優先事項であった」「政府はエル・ファタハ氏の過去のツイートを非難し、それを忌まわしいものと見なしている」と述べている。

アブデルファタハ氏は、2011年のエジプトの「アラブの春」蜂起で指導者的役割を果たした。19年9月にエジプトで拘束されると、21年12月に虚偽のニュースを広めたとして拘禁5年を言い渡された。この投獄は国連(UN)の調査官によって国際法違反とされ、解放を求める国際的なキャンペーンが開始された。

母親に続いて3月には自身も獄中でハンガーストライキを開始すると、その後アブデルファタハ・シシ大統領による恩赦を受け、釈放された。(c)AFP