【12月25日 AFP】オーストラリアのトニー・バーク内相は24日、禁止されているナチス・ドイツのシンボルを掲示したとして起訴された英国人のビザを取り消したと明らかにした。

12月14日にシドニーのボンダイビーチでユダヤ人を狙ったとされる銃乱射事件が発生し、15人が死亡したのを受け、オーストラリア政府はヘイトスピーチの徹底的な取り締まりを宣言している。

バーク氏は、ナチスのハーケンクロイツ(かぎ十字)を掲示し、ソーシャルメディアで反ユダヤ主義的な言説を広めたとして起訴された43歳の英国人について、オーストラリアに滞在する権利を剥奪すると発表。

公共放送ABCに対し、「ビザ保有者のほとんどは、わが国にとって良き客人であり、歓迎される」「だが、憎悪目的で訪れる者は、帰ってくれて構わない」と付け加えた。

オーストラリア連邦警察は今月、東部クイーンズランド州に住む男を「禁止されているナチスのシンボルを掲示した」罪で訴追したと発表した。

男はX(旧ツイッター)の二つのアカウントを使用して「ナチスのハーケンクロイツを掲示し、ユダヤ人コミュニティーへの憎悪を伴う親ナチスのイデオロギーを唱え、ユダヤ人コミュニティーに対する暴力を扇動した」とされる。

オーストラリアの内相は、ビザを取り消す広範な権限を有している。

バーク氏は先月にも、ニューサウスウェールズ州議会前で行われたネオナチ集会に参加していた南アフリカ人、マシュー・グルーター氏のビザを取り消した。(c)AFP