【三里河中国経済観察】福建省発展改革委の孟芊主任:強み分野で新たな生産力を育成
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【1月9日 CNS】「新たな生産力を伸ばすうえで、福建省は自ら強みを持つ重要分野に重点を置いている。例えば、集積回路やバイオ医薬などだ」。福建省(Fujian)発展改革委の孟芊(Meng Qian)主任は、「三里河中国経済観察」の取材に対しこう語った。
「第14次五か年計画」期間中、福建省は戦略的新興産業の育成と拡大を加速し、イノベーション能力が大きく向上した。例えば集積回路分野では、複数の重要技術で突破を実現し、国内の空白を埋めた。バイオ医薬分野でも、国内外で「初」となる革新的製品が相次いで登場した。新型電池分野では、第3世代CTP「麒麟バッテリー」や凝集態電池などが相次いで発表されている。
2024年時点で、福建省には産業規模が1000億元(約2兆2222億円)を超える産業クラスターが20形成されており、省級の戦略的新興産業クラスターは17、国家級は4に達した。戦略的新興産業の集積効果は、年々強まっている。このうち2024年は、福建省の集積回路・光電子、リチウムイオン電池などの産業クラスター規模がいずれも2000億元(約4兆4444億円)を超えた。
福建省が公表した「福建省未来産業イノベーション発展実施計画(2024~2027年)」によると、同省は今後、データインテリジェンス、水素エネルギー、新型電池、集積回路向け超高純度材料、先端新材料、スマート製造、ヘルスケア・新医薬の7分野を「成長型の未来産業」として優先的に育成する方針だ。同時に、衛星および関連応用、低空経済、バイオ製造の3分野を「潜在力のある未来産業」と位置付け、育成を加速する。新興産業や未来産業の育成と並行して、福建省は新たな生産力を活用し、伝統産業の転換と高度化も進めている。
孟芊主任は「福建省は基礎研究(原始的イノベーション)では必ずしも優位にあるわけではないが、伝統企業の転換・高度化には新たな生産力が切実に求められている」と指摘する。民営経済が強い地域として知られる福建省では、世界で生産されるスポーツシューズのうち、5足に1足が福建省製だという。繊維・アパレル、靴産業などの民営経済が、福建省GDPの約70%を支えている。
「第14次五か年計画」期間中、福建省は伝統産業の改造・高度化を全面的に推進し、製造業の転換の要として「スマート化・デジタル化・ネットワーク化の一体推進」を掲げた。企業向けには「千員万企」デジタル診断サービスを展開し、転換を後押ししてきた。繊維・靴・アパレル関連でも、イノベーション実験室を設置する企業が増え、労働集約型からハイテク集約型へと移行しつつある。
さらに注目されるのは、伝統産業の分野でも近年、ガラスアンテナ、超薄型の高精度「手裂き鋼」、白羽肉鶏(羽が白いブロイラー=食肉用に改良された鶏)の種源などで国際的な独占を打ち破り、「追随」から「先導」へと転じる成果が出ている点だ。
孟芊主任は、福建省では新たな生産力の応用シーンが幅広く、デジタル化による能力強化やスマート化改造の面で全国の先頭を走っていると強調する。国内外で知られる企業や高水準の成果も次々と生まれている。
今後は、応用の実証と普及をさらに強化する。福建省発展改革委は各地の特色を踏まえ、優先的に選定した50の典型的な応用シーンを省内で発表・展開し、新技術・新製品・新サービスの接続を促すとともに、標準化された活用を進める。基礎研究からシーン実装までを貫く、未来産業育成の全体体系を構築していく考えだ。
伝統産業の強みを固めつつ、転換と高度化を力強く進める。同時に、戦略的新興産業を育て、未来産業を先回りして布局する。福建省の経済発展は、より体系的な再構築へと舵を切り、福建省ならではの特色を持つ、勢いのある「新たな生産力」の成長曲線を描き始めている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News