ロシアと中国、国連で米国のベネズエラ対応を批判「無法行為」「侵略」
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【12月24日 AFP】ロシアと中国は23日、国連安全保障理事会の緊急会合で、米国が南米ベネズエラに軍事的・経済的圧力をかけていることを「無法行為」であり「脅迫」だと非難した。
緊急会合はベネズエラがロシアと中国の支援を受けて開催を要請した。
米国はカリブ海で軍を大規模展開し、制裁対象とみなすベネズエラ船舶に対する海上封鎖の一環として、最近では石油タンカーを拿捕(だほ)している。
米国のマイク・ウォルツ国連大使は中ロからの批判に対し、「米国は西半球、国境、米国民を守るために全力を尽くす」と述べた。
ドナルド・トランプ米大統領は、ベネズエラが石油を「麻薬テロリズム、人身売買、殺人、拉致」の資金源として利用していると非難している。
石油の確認埋蔵量で世界最大となっているベネズエラ側は麻薬密売への関与を否定し、米国はベネズエラの石油を奪うためにニコラス・マドゥロ政権の転覆を企てていると主張している。
■「史上最大の恐喝」
ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は、「米国側の行為は国際法のあらゆる主要規範に反する」と述べ、米国のベネズエラ海上封鎖を「侵略行為」と呼んだ。
さらに、「このような無法行為が絶えず壊滅的な結果をもたらしていることについても、米国の責任は明白だ」と付け加えた。
中国の孫磊国連次席大使は、「中国はあらゆる一方的行動といじめに反対し、すべての国が主権と国家の尊厳を守ることを支持する」と述べた。
ベネズエラのサミュエル・モンカダ国連大使は、「われわれは、国際法の枠外で行動し、ベネズエラ国民に国外に退去し国土を明け渡せと要求する勢力に対峙(たいじ)している」「これは、わが国史上最大の恐喝行為だ」と述べた。
米国のウォルツ国連大使は、トランプ氏によるマドゥロ氏批判を繰り返し、「ニコラス・マドゥロは米司法省に指名手配されている逃亡者であり、外国テロ組織『カルテル・デ・ロス・ソレス(太陽のカルテル)』のリーダーだ」と述べた。
専門家らは、カルテル・デ・ロス・ソレスの名称で知られる、明確な階層構造を持つ組織の存在を示す証拠はないと指摘している。(c)AFP