米CBS、送還移民収容施設の調査報道を放送中止 政治介入か
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【12月23日 AFP】米CBSニュースは22日、中米エルサルバドルの刑務所についての調査報道を放送直前に急きょ中止した。ドナルド・トランプ米大統領が送還した移民を収容する施設で、中止の判断をめぐり、政治的干渉があったとの見方が強まっている。
21日夜の放送が急きょ中止となったのは、エルサルバドルの巨大刑事施設「テロリスト拘禁センター(CECOT)」での虐待疑惑をめぐる調査報道で、CBSの看板番組「60ミニッツ」での放送が予定されていた。米ジャーナリズムにおいて最も権威ある番組の一つとされる。
CBSニュースをめぐっては今年、親会社パラマウント・グローバルが、トランプ氏の盟友で世界有数の富豪ラリー・エリソン氏の一家が関わる企業に買収されている。
複数の米メディアは、番組が政治的理由で中止されたと話す「60ミニッツ」の担当特派員の言葉を報じた。
「すべての厳格な内部チェックを経た後での中止は、編集上の判断ではなく、政治的なものだ」と特派員は、CBSスタッフ宛てのメモに記していた。
CECOTは、エルサルバドルで麻薬ギャングの一掃を目的に設けられた巨大刑務所だが、人権活動家は、収容者が残酷に扱われているとして非難している。
また3月以降、数百人のベネズエラ人やその他の移民がトランプ政権によって移送されており、解放された複数の送還者が、施設内で繰り返し虐待を受けたと証言している。(c)AFP/Sebastian Smith