【三里河中国経済観察】新疆発展改革委・文華氏:五つの戦略軸で産業体系を構築
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【1月5日 CNS】「第15次五か年計画」の初年度を迎え、各地がいかに地域の実情に即して経済運営を進めるかが注目されている。
新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)発展改革委員会の党組書記・副主任である文華(Wen Hua)氏は、「三里河中国経済観察」の取材に対し、新疆は新時代の党の治疆方針を全面的に貫徹し、中央政府から与えられた「五つの戦略的ポジション」を明確に据え、国家のニーズ、新疆の強み、住民の期待を結び付けながら、環境の受容力を十分に考慮し、スマート化・グリーン化・融合化の方向を堅持すると述べた。その上で、石油・天然ガス、鉱産資源、風力・太陽光発電、石炭、穀物、果物・野菜などを重点分野とする伝統産業の高度化を進め、新たな生産力が競い合って成長する、特色と競争力を備えた現代産業体系の構築を目指す考えを示した。
新疆に与えられた「五つの戦略的ポジション」とは、①ユーラシアの黄金回廊および対西開放の前線拠点、②新たな発展構造を構築するうえでの戦略的支点、③全国のエネルギー・資源戦略を支える重要基地、④全国に向けた高品質な農畜産物の主要供給基地、⑤国家の地政学的安全を守る戦略的防壁、の五点を指す。
こうした特色と強みを生かした現代産業体系の配置は、新疆の資源的条件に根差すと同時に、高品質発展という時代の要請にも合致している。
新疆の伝統産業は基盤が厚く、多くの分野で「全国トップ」を誇る実績が、その戦略的重要性を裏付けている。全国のエネルギー・資源戦略保障基地として、新疆の2024年の石油・天然ガス生産量(原油換算)は6664万トンに達し、4年連続で全国1位となった。再生可能エネルギーの新規導入容量も全国トップで、送電量は5年連続で年間1000億キロワット時を超え、全国22の省・自治区・直轄市に電力を供給している。
また、全国有数の農畜産物供給基地として、2024年の穀物単収は1ムー(約666.7平方メートル)当たり1049.7斤(約524.9キロ)に達し、全国首位に躍進した。綿花の生産量は568万6000トンで全国の92.3%を占め、32年連続で全国1位を維持している。
現在、新疆の伝統産業は高度化と付加価値向上を加速させている。その中で「スマート化」は産業転換の重要な切り口となっている。石油・天然ガス産業を例に取ると、かつては人手による巡回点検に頼っていた油田やガス田が、現在ではスマートセンサー、ドローン巡視、ビッグデータ分析などを活用し、スマート化への転換を遂げている。国内初のデジタル油田である新疆油田では、油井・ガス井のIoTカバー率がすでに93.7%に達している。
一方で、「グリーン化」は新疆産業の際立った特徴となっている。恵まれた風力・太陽光資源を背景に、新疆は中国の再生可能エネルギー発展の主戦場の一つとなっている。2025年9月末時点で、新疆の電力網における再生可能エネルギー設備容量は約1億3000万キロワットに達し、全国でも上位を占める。風を追い、太陽の力を生かす新疆は、中国の経済社会発展に持続的なグリーンエネルギーを供給している。
さらに、「融合化」は新疆の産業発展に新たな広がりをもたらしている。産業の深い融合が新たな価値を生み出し、壮大な自然景観、独自の民族文化、豊富な特産品を背景に、新疆は昨年、延べ3億人を超える観光客を受け入れた。例えば、コルラ市(Korla)では香梨産業を軸に、果樹レジャー、農業観光、収穫体験、花見や果物狩りを組み合わせた新たな観光形態を育成し、「観光+農業」というモデルによって単一産業を多面的な価値へと拡張している。
注目すべきは、新疆が新たな分野への転換を加速し、新質生産力の育成と拡大に本格的に取り組んでいる点だ。低空経済、グリーン計算資源、水素エネルギー、バイオ製造、量子技術、商業宇宙、6Gなどの新興産業・未来産業を積極的に育成し、新たな産業トラックの先取りを図っている。
「新疆の計算能力を重慶(Chongqing)へ送る」取り組みは、国家の算力(計算処理能力)・電力連携試行プロジェクトに組み込まれ、自治区初のインテリジェント計算センターも稼働を開始した。新疆は今、新たなチャンスを「計算」によって切り開こうとしている。
イノベーションの活力も着実に高まっている。2024年末時点で、新疆には製造業分野の単項目チャンピオン企業が11社、「専精特新(特化・精密・特色・革新)」を備えた「小巨人企業(高度な技術力を持つ特化型中小企業)」が52社、ハイテク企業が2742社育成されている。
「新疆の電力を外へ送る」から「東数西算(東部のデータ処理を西部のデータセンターで行う)」へ、地下の石油・ガス開発から空を飛ぶドローンまで、新疆は多様な新質生産力によって、「資源大区」という従来のイメージを塗り替えつつある。
石油・ガスと風力・太陽光が共存し、伝統産業と新興産業が並走し、環境保全と経済成長が両立する中で、中国国土の6分の1を占めるこの地域は、独自の産業ロジックによって、高品質発展の新たな章を書き進めている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News