【12月31日 CNS】「消費の大幅な喚起と投資効率の向上を軸に有効需要を拡大し、産業クラスターの形成とサプライチェーン強化によって産業競争力を高め、重点分野の改革を突破口に市場の活力を引き出し、住民ニーズを起点に公共サービスの水準を引き上げる」

四川省(Sichuan)発展改革委員会主任の代永波(Dai Yongpo)氏は、「三里河中国経済観察」のインタビューに対し、中央経済工作会議の方針を着実に実行し、四つの分野で連動的に取り組むことで、経済の質的向上と量的な安定成長を同時に実現していく考えを示した。

第一は、投資拡大と消費喚起を一体的に進めることだ。代氏は、交通、エネルギー、水利といった従来型インフラに加え、大型科学装置や人工知能(AI)など新型インフラ整備にも力を入れ、産業基盤に根差し、投資効果が高く、持続的な税収につながる大型プロジェクトを重点的に育成すると説明した。また、プロジェクトのライフサイクル全体を見据えた管理と支援を強化し、「天府プロジェクト通」や省内重点プロジェクトの調整体制を活用して、着工率や投資進捗、資金執行率の向上を図るという。

近年、四川では従来型インフラ整備と新興産業の成長が同時に進んでいる。今後5年間で、交通分野に総額7360億元(約16兆2711億円)規模の四つの重点プロジェクト群を実施し、「第15次五か年計画」期間中に道路・水運分野で1兆元(約22兆1075億円)規模の投資を実現する基盤を整える方針だ。さらに、水力や太陽光などのクリーンエネルギー産業が急成長する中、政策支援も継続的に拡充されており、今後3年間で12億元(約265億2900万円)を投じ、誰もが利用しやすい人工知能(AI)の発展環境を整備し、新興産業の定着を後押しする。

「内需主導を堅持し、強大な国内市場を構築する」ことは、2026年の経済運営における最優先課題だ。代氏は、消費喚起の重点施策を継続的に推進し、「蜀里安逸」という消費ブランドを磨き上げるとともに、消費喚起の三か年行動計画を策定し、消費財の買い替え促進策の実効性を高めていくと述べた。
統計によると、2025年の国慶節と中秋節の連休期間中だけで、四川省が展開する消費振興ブランド「蜀里安逸(四川らしい心地よい暮らしを打ち出す取り組み)」を冠した新たな消費シーンには延べ1800万人以上が訪れ、売上高は55億元(約1215億9125万円)を超えた。2025年1〜10月の四川省全体の小売売上高は前年同期比6.4%増と、全国平均を2ポイント上回っている。

第二は、産業発展と科学技術イノベーションの一体的推進だ。代氏は、科学技術革新を軸に新たな生産力を育成し、重点産業のクラスター形成とサプライチェーン強化を進める方針を示した。六つの優位産業について高度化と倍増を図り、六つの1兆元規模の基幹産業の育成を加速させるとともに、研究開発と成果の実用化を一体的に進め、技術成果が産業革新に直結する仕組みを整える。

現在、電子情報、装備製造、食品・軽工業、エネルギー化学、先端材料、医薬・健康の六大産業が、四川の現代産業体系を支える中核となっている。今後は地域特性に応じた新たな生産力の育成を進め、これら基幹産業の牽引力を最大限に引き出す構えだ。

第三は、改革の深化と対外開放の拡大を両立させることだ。改革と開放は経済成長の内在的な原動力であり、四川は自らの実情を踏まえ、新時代にふさわしい改革開放の新たな高地づくりを進めてきた。代氏は、全国統一市場の構築指針を着実に実行し、過度な価格競争などの是正を進めるとともに、コスト削減を軸にビジネス環境を改善し、民間企業の健全な発展を後押しすると述べた。

また、西部陸海新ルート西線の主要通路建設を加速させ、「一つの河川を円滑にする」航運振興策を継続し、交通網・物流網・デジタルネットワークの融合を進める考えを示した。

第四は、経済発展と社会づくりを両立させることだ。代氏は、成長だけでなく安全も重視する姿勢を強調し、人口動態の変化に対応した公共サービス供給体制を構築すると説明した。人口分布の変化を踏まえ、教育、医療、高齢者・子ども向けサービスの資源配分を柔軟に見直し、民生分野の重点施策を明確にしたリストを公表する。また、食料・エネルギーの安定供給を確保し、重点分野のリスク防止と解消を進め、安全な発展の基盤を堅持する。

高品質な発展には、全体を見渡す視点と分野横断的な連携が欠かせない。四つの重点を同時に進める戦略は、四川経済の将来像を描き出す新たな道筋となっている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News