【12月22日 AFP】ナイジェリアの大統領報道官は21日、11月に武装集団によってカトリック系寄宿学校から連れ去られた130人の生徒を、当局が解放したと発表した。

サンデー・デア氏はX(旧ツイッター)に「ナイジャ州で拉致された生徒130人が新たに解放され、拘束下に残っている者はいない」と投稿した。

11月下旬、中部ナイジャ州にある共学の寄宿学校であるセントメリーズ学校から生徒と教職員数百人が拉致された。

同校から連れ去られた正確な人数は、この間ずっと不明確だった。当初、ナイジェリア・キリスト教協会は、生徒と職員315人の行方が分からないと発表していた。

拉致直後に50人が逃げ出すと、今月7日には政府が約100人を開放していた。これにより、この日の解放発表を前にして、依然として165人が拘束されていると見られていた。

しかし国連(UN)筋はAFPに対し、連れ去られた全員が解放されたようだと述べた。拉致されたとみられていた数十人は、実際には襲撃中に逃げ出し、自宅に戻っていたためだという。

生徒たちの自宅がナイジェリアの広大な農村地帯に点在しており、バイクで3〜4時間かけてようやく到達できる村もあることから、人数の把握が難航していると同筋は説明した。

ナイジェリア・キリスト教協会ナイジャ州支部は、「最終的な確認作業が必要になる」と述べている。

生徒たちを拉致した勢力や、政府がどのよう開放を実現したかについては公表されていない。専門家は、過去の事例から、当局が身代金を支払った可能性が高いと指摘しているが、これは法律上は禁止されている。

今回の拉致は、2014年にボルノ州チボクでイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が学校を襲撃し、女子生徒約300人を拉致した事件を想起させるもので、ナイジェリアは同様の大規模な事件の波に揺れている。

国内では、北東部の「ジハード(聖戦)」遂行を主張するイスラム過激派から北西部の「盗賊団(バンディッツ)」まで、複数に絡み合う治安問題を抱えている。(c)AFP