黒塗りだらけのエプスタイン資料 被害者・議会から批判の声
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【12月21日 AFP】少女らへの性的人身取引の罪で起訴され、勾留中に自殺した富豪ジェフリー・エプスタイン元被告に関する一部記録が19日に公開された。しかし、多くのページが黒塗りされ、写真も検閲されているとして、不満や怒りの声が上がっている。
米国司法省が公開した大量の資料には、ビル・クリントン元大統領や英ロックバンド「ザ・ローリング・ストーンズ」のボーカルを務めるミック・ジャガー氏を含む著名人たちが、エプスタイン元被告とともに写っている写真も含まれていた。
しかし、ドナルド・トランプ政権による厳格な公開管理の下で公開された多くの黒塗りされた文書では、陰謀論の払拭(ふっしょく)にはつながらないとの見方が広がっている。
被害者女性の一人、マリナ・ラセルダ氏は、CBSに「必要のない名前を黒塗りにするのをやめ、資料をそのまま公開してほしい」と述べ、「生存者を保護しているのか、それともこれらのエリート男性を保護しているのか?透明性を確保するためのプロセスは、生存者と被害者の名前だけを黒塗りにすることだった」と指摘した。
別の被害者であるジェス・マイケルズ氏は、自身がFBIの通報ラインに電話した際の記録を、被害者証言や通信記録から見つけようと数時間を費やしたが見つけることができなかったと指摘した。
自身の通報についての記録はそこにはなかったとCNNに語り、「これが政府の最善の努力なのか?議会の行動ですら私たちに正義をもたらしていない」と批判した。
公開された資料のうち「大陪審-NY」とラベル付けされた119ページの文書は完全に黒塗りされていた。また、7ページにわたり記載された254人のマッサージ師の名前はすべて隠され、「潜在的な被害者情報を保護するために黒塗り」との注釈が付けられていた。
多くが隠された状態で公開された資料について、長い間公開を推進してきた共和党のトーマス・マッシー下院議員は「これは法律とその精神の両方に著しく違反している」と述べた。
また、民主党のチャック・シューマー上院院内総務は「真実を明らかにするためにあらゆる選択肢を追求する」と述べた。
副司法長官のトッド・ブランシュ氏は、19日の公開が不完全であることを議会に認め、司法省が今後数週間でファイルの準備を完了させると約束した。(c)AFP/Frankie TAGGART