【12月20日 AFP】国連(UN)は19日、8月にパレスチナ自治区ガザ地区で宣言された飢饉(ききん)は、人道支援へのアクセス改善により収束したと発表した。ただし、食糧状況は依然として深刻だと警告している。

ガザでは人口の70%以上が仮設シェルターで生活しており、冬季の洪水や気温の急低下による低体温症のリスク増大が飢餓を悪化させているという。

10月に発効したイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦により、支援物資に対する制限は部分的に緩和されたものの、供給は日によって変動し、量も限られ、地域によって偏りがあるとした。

危機の兆候を警告する任務を負う国連の監視団体「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」は「飢饉に分類される地域はない」としたものの、状況は依然として危機的であり、ガザ地区全域が『緊急』に分類されている」と強調した。

IPCは「2025年8月の飢饉を検出した分析と比べ、食料安全保障と栄養状態に顕著な改善が見られる」とし、約160万人が2026年4月15日までの期間に「危機」レベルの食料不安に直面すると予測している。

ただし、最悪のシナリオとして戦闘再開や人道支援・商業物資の停止が起きた場合、北ガザやガザ県、中部デイルアルバラフ、南部ハンユニスの各地域が飢饉に陥るリスクがあるとした。(c)AFP