【三里河中国経済観察】不動産市場の安定化に注力 在庫活用で持続的な成長へ
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【12月26日 CNS】「不動産市場の安定化に取り組む」
2024年に続き、2025年の中央経済工作会議でも、住宅市場の安定が改めて重要課題として打ち出された。会議では、都市ごとの実情に応じて新規供給の抑制や在庫解消、供給の質の向上を進めるとともに、既存の分譲住宅を買い取って保障性住宅などに活用する方針が示された。これは、不動産市場の現状を踏まえた、より実務的で現実的な対応策といえる。
現在、中国の都市発展は新規開発中心の段階を終え、既存ストックを前提とした再整備や更新へと軸足を移している。不動産開発も、何もない場所に建設を進める時代から、都市の現状を踏まえて価値を高めていく段階へと移行している。2025年は、不動産市場が本格的な調整局面に入り、同時に構造転換が進む重要な年となる。
統計によると、10月末時点で全国の分譲住宅の在庫面積は8か月連続で減少しているものの、総量はなお7億5606万平方メートルに達している。在庫解消は引き続き、住宅市場を安定させるうえで最大の課題だ。今後の鍵となるのは、既存ストックの有効活用と、新規供給の抑制である。
既存住宅の活用では、分譲住宅の在庫を買い取り、保障性住宅などに転用する取り組みが、在庫を動かす有力な手段になるとみられる。これは在庫削減や需給バランスの改善に寄与するだけでなく、住宅確保に課題を抱える層への支援にもつながる。
地方では、広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)などがすでに分譲住宅を保障性住宅として買い取る施策を進めており、今後はその規模を拡大する動きも見込まれる。分譲住宅の在庫は、単なる余剰資産ではなく、民生を支える住宅供給として再評価されつつある。在庫活用と住宅保障を両立させるため、会議では住宅積立金制度の改革をさらに進める方針も示された。住宅積立金の活用範囲を広げ、その機能を十分に引き出すことで、市場の潜在的な需要を喚起する狙いがある。
中指研究院(CIH Index)の調査によれば、2025年に入ってから全国で260件を超える住宅積立金関連の政策が打ち出されている。融資上限の引き上げや利用条件の緩和、地域をまたいだ相互利用の拡大などが進められており、2026年もこうした施策は一段と深まり、住宅購入を支える環境が整えられる見通しだ。一方、新規供給の抑制は、単純に土地供給を減らすことを意味するわけではない。全体量を管理しながら供給構造を見直し、質の高い住宅の整備と一体的に進めることが重視されている。
会議では、質の高い住宅の建設を段階的かつ秩序立てて進める方針が示された。すでに市場には一定数の良質な住宅が登場しており、今後は基準やルールを整えながら、方向性を明確にしていく必要がある。
58安居客研究院の院長である張波(Zhang Bo)氏は「三里河中国経済観察」の取材に対し、良質な住宅の整備は不動産の質的成長を支える重要な柱であり、単なる住宅商品の高度化ではなく、業界全体の価値構造を見直す動きだと指摘する。張氏は、良質な住宅の基準が明確になることで、不動産企業は量的拡大を重視する従来の姿勢から、品質を重視する方向へと転換し、省エネ・低炭素、スマート住宅、高齢者対応設計といった分野への取り組みが加速するとみている。
不動産業界の進むべき道はすでに明らかだ。高回転・高レバレッジに依存した旧来型モデルから脱却し、既存資産の活用と品質重視を軸とする新たな段階へと移行することが求められている。新しい不動産発展モデルの構築は、市場の流れに沿った必然であり、業界が持続的に健全な成長を続けるための重要な一歩となる。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News