【12月25日 CNS】「重慶は製造業の大都市であり、製造業の基盤がしっかりしている」

重慶市(Chongqing)発展改革委主任の高健(Gao Jian)氏が取材の中で語ったこの言葉は、この都市の発展の根底にある強みを端的に表している。世界的な産業構造の変化を背景に、重慶はいかに地域の実情に即して新たな質の生産力を育成していくのか。

高健氏によると、重慶では現在、「33618」と呼ばれる現代産業体系の構築を進めている。最初の「3」は3つの兆元規模産業、次の「3」は3つの5000億元(約11兆537億円)規模産業を指し、これに6つの1000億元(約2兆2139億円)規模産業と、18の未来産業・戦略的新興産業が加わる。

具体例として高健氏は、地域特性を生かした産業発展の代表例に、スマートコネクテッド新エネルギー車を挙げる。昨年の同車の生産台数は95万台に達し、華為技術(ファーウェイ、Huawei)と賽力斯汽車(セレス、Seres)共同展開する新エネルギー車ブランド「問界(Aito)」の大型SUV「問界M9」は50万元(約1105万3750円)以上の価格帯で販売台数トップを維持している。

自動車産業で厚い蓄積を持つ重慶では現在、長安汽車(Changan Automobile)と賽力斯汽車という二大企業を中核に、10社余りの完成車メーカーが集積。3つの主要システム、12の主要ユニット、56の部品を網羅する、スマートコネクテッド新エネルギー車部品産業クラスターが形成されている。

高健氏はまた、こうした自動車産業の発展が、重慶における半導体産業、とりわけ集積回路分野の成長を後押ししていると指摘する。昨年、重慶のパワー半導体生産量は全国第3位となった。「集積回路全体、特に車載用半導体について、設計からウエハー製造、封止・検査、モジュール、材料、設備に至るまで、重慶では新たな質の生産力を総合的に育成している」という。

AI時代においては、スマートコネクテッド新エネルギー車だけでなく、ロボットや低空経済も将来の重要な成長分野とされる。

重慶ではすでに31の研究開発プラットフォームを統合し、ロボット分野の全産業チェーン型エコシステムを構築。川崎重工(Kawasaki Heavy Industries)、七騰ロボット(Sevnce Robotics)、ファナック(Fanuc)などが名を連ねるロボット関連企業群が拡大を続けており、年内に話題を集めたロボット犬「哮天」は、北米市場への進出を準備している。

多くの都市がまだ低空経済の概念を議論している段階にある中、山城・重慶では「空の宅配便」がすでに常態化して運航されている。地形的な優位性と大きな市場ポテンシャルを背景に、業界大手が相次いで進出している。

重慶市の「第15次五か年計画」策定に向けた提言でも、スマートコネクテッド新エネルギー車の中核都市、AI応用の拠点、低空経済の革新発展都市として成果を上げ、国際競争力を備えた先進製造業センター、全国的影響力を持つ産業イノベーションセンター、西部地域の人材拠点を基本的に構築する目標が明確に示されている。

「第15次五か年計画」期間中、重慶は「通常を超える施策によって、発展モデルを全面的にイノベーション主導型へ転換する」方針だ。

中西部地域で初めて経済規模が3兆元(約66兆3225億円)を超えた都市として、重慶が育成を加速する新たな成長エンジンは、スマートコネクテッド新エネルギー車からロボット、低空経済に至るまで、いずれも地域の実情に根ざし、産業基盤と応用シーン、市場需要を備えている。重慶は、AI時代において新たな想像空間を切り開こうとしている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News