「学校は便利屋ではない」…韓国・教員労組、学生別統合支援法の全面改正と施行延期を要求
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【12月19日 KOREA WAVE】韓国・教員労働組合連盟(教員労組連盟)は12月16日、来年3月の施行を控える「学生別統合支援法」について、法律の全面改正と事業の全面延期を求める声明を発表した。同連盟は、同法が教育・福祉・保健の連携を名目に、十分な予算や人員配置のないまま学校現場に過度な責任を押し付け、教員を行政・福祉業務の最前線に追い込んでいると批判した。
教員労組連盟は同日、国会議事堂正門前で記者会見を開き、「学生別統合支援法は学校の実情とかけ離れた机上の行政の産物だ」と指摘し、「法律の全面改正とともに、施行そのものを全面的に猶予すべきだ」と訴えた。会見には、教員労組連盟傘下の24の教員労組が共同で参加した。
学生別統合支援法は、基礎学力未達や経済的・心理的・情緒的困難を抱える児童生徒を早期に発掘し、個別に支援することを目的とする法律で、必要な支援を通じて教育を受けられる環境を整えるとされている。しかし、十分な予算や専担人員が確保されないまま推進されており、教員の業務負担を増大させ、学校を事実上の福祉施設に変質させるとの批判が現場から上がっている。
教員労組連盟はこの日の会見で▽学生別統合支援法の全面改正▽2026年までの施行全面延期▽学校長を統合支援の責任主体から除外▽教育支援庁中心の統合支援体制への転換▽専担人員と予算の拡充▽指導主事や専担教員に対する十分な研修実施――などを求めた。
イ・ボミ教員労組連盟委員長は「学生別統合支援が教育的支援を超え、過度な介入へと流れている」と述べ、「総括人員も予算もないまま学校に責任だけを押し付ける政策は、直ちに中止されるべきだ」と強調した。
特に同法第10条第3項については「学校長が要請を受けた場合、大統領令で定めた基準と手続きに従い、学校の判断権限なく『支援対象学生』に指定することを強制している」と問題視し、「学校の自律的判断を無力化し、学校をあらゆる要請を受け入れる苦情処理機関に転落させるものだ」と批判した。
現場教員からは、教育庁が提示する「優秀事例」に対する反発も相次いだ。コ・ヨハン初等教員労組委員長職務代行は「教員が直接調理して朝食や長期休暇中の昼食を提供したり、髪を洗わない児童のために美容院と提携してバウチャーを支給した事例が優秀事例として紹介されている」とし、「これは教室を教育の場ではなく福祉サービスの場に変質させるものだ」と指摘した。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News