【12月19日 AFP】イスラエルの右派が18日、軍の制止を振り切ってパレスチナ自治区ガザ地区に侵入し、ガザの再占領と再入植を求めて象徴的な国旗掲揚式を行った。

軍は声明で侵入があったことを認め、このグループを常時監視していたとして、ガザへの立ち入りは禁じられていることを改めて強調した。

右派系ソーシャルメディアアカウントは、空き地でイスラエル国旗を囲んで立つ男女と子ども約20人の写真を拡散し、これはガザ中部クファルダロム入植地で撮影されたものだと主張した。

クファルダロム入植地は、1967年からガザを占領していたイスラエル軍が2005年に撤退する際、他の入植地21か所と共に撤退させられた。

それ以来、イスラエル右派の非主流派は、ガザ入植地の再建を求め続けている。

2023年10月7日のハマス主導によるイスラエルに対する攻撃とそれに続く紛争の後、非主流派は入植地再建をさらに声高に主張するようになり、イスラエルの右派政治家たちもガザについて、パレスチナ人の立ち退きとイスラエルによる支配の回復を訴えている。

イスラエル軍は18日、ガザに侵入した人々を「イスラエル領内に送還」し、その後、境界の別の地点で「数十人」のガザ侵入を阻止したと発表した。ただし、一部は防壁を突破したという。

軍は「作戦地帯への立ち入りはいかなるものであれ、民間人を危険にさらし、イスラエル国防軍(IDF)の作戦を妨害するため禁止されている」と述べた。

入植者運動の中心人物、ダニエラ・ワイス氏は、今回の抗議行動を称賛した。

ガザ境界に近い南部スデロットで開かれた集会で約100人の支持者に対し、「神の助けにより、この国旗掲揚は新たな時代、すなわちわれわれがガザに帰還する時代の幕開けとなるだろう」と語った。

さらに、ガザ和平計画に基づき設置される「国際安定化部隊(ISF)」への参加を検討している国々の名前を挙げ、「ガザを支配するのはインドネシア人でもトルコ人でもエジプト人でも、いかなる国でもない。イスラエル人だけがガザを支配する」と付け加えた

入植者たちの抗議行動は事前に計画されていた。

ワイス氏が共同設立した超国家主義的な入植推進運動「ナチャラ」は先週、書簡でガザでのイスラエル国旗掲揚計画を発表した。極右イタマル・ベングビール国家治安相をはじめとする10人の閣僚、そして20人以上の議員もこの計画に賛同して署名した。(c)AFP