【三里河中国経済観察】中央経済工作会議、「十五五」初年度の方針示す
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【12月22日 CNS】2026年の経済運営はどう進めるのか。巨額の資金はどこに向かい、国民の暮らしはどのように変わるのか。12月10日から11日にかけて開催された中央経済工作会議は、こうした問いに対する最も明確な方向性を示した。都市・農村住民の所得増加計画の策定と実施、投資の下支えと安定回復の推進、金融機関による内需拡大や科学技術イノベーション、中小・零細企業など重点分野への支援強化、企業に対する未払い代金の整理・解消の加速など、一連の施策は住民や企業の「財布事情」と直結する内容となっている。会議は、これまでの成果を総括し、情勢を分析した上で、2026年の経済運営に向けたロードマップを描き出した。
全体方針としては、「安定を維持しつつ前進する」という基本姿勢を引き続き堅持しながら、「質の向上と効率の改善」を重視する姿勢が鮮明になった。マクロ政策の面では、より積極的な財政政策と、適度に緩和的な金融政策を継続的に発揮していく方針が示され、具体的には八つの重点任務が明確に打ち出された。すべての取り組みは、「第15次五か年計画」において良好なスタートを切り、経済を安定させ、国民に実利をもたらし、持続的な成長の力を蓄えるという一つの目標に集約されている。
◾️「五つの必須」を提示
計画初年度にあたる2026年において、経済運営を的確に行うことは極めて重要だ。新たな情勢下での経済運営について、会議は「五つの必須」をまとめた。すなわち、経済の潜在力を十分に掘り起こすこと、政策支援と改革・イノベーションを両立させること、「活力を引き出す」と同時に「適切に管理する」こと、モノへの投資と人への投資を緊密に結び付けること、そして内功を鍛えることで外部の挑戦に対応することである。清華大学中国発展計画研究院の董煜・常務副院長は、これは今年の取り組みを総括すると同時に、今後の方向性を示すものであり、経験の整理であるとともに、進むべき道筋でもあると述べている。
◾️マクロ政策はより積極的かつ実効的に
マクロ政策は、経済が安定的かつ持続的に発展するための重要な手段であり、会議は「より積極的で実効性の高いマクロ政策を実施する」と明確に打ち出した。来年も、より積極的な財政政策と適度に緩和的な金融政策を継続する方針で、「必要な財政赤字、債務総規模、支出総量を維持する」「税制優遇や財政補助政策を適正化する」「預金準備率引き下げや利下げなど各種政策手段を柔軟かつ効率的に活用する」といった具体策が示された。とりわけ、政策の協調性が重視されており、既存政策と追加政策、改革と政策の相乗効果を高める姿勢が強調された。
粤開証券の羅志恒(Luo Zhiheng)チーフエコノミストは、会議がマクロ政策の方向性の一貫性を強調しただけでなく、経済政策と非経済政策、既存政策と追加政策を評価体系に組み込み、期待管理の仕組みを整えることで、制度的に信頼を安定させ、予測可能性を高めようとしている点を指摘する。こうした取り組みは、現在の回復基調を、より持続的で質の高い発展へと転換するうえで有効だとしている。
◾️内需拡大が最大の焦点
来年の経済運営における重点任務の中で、「内需主導を堅持し、強大な国内市場を構築する」ことが最優先に位置付けられた。「国内では供給が強く、需要が弱いという矛盾が際立っている」という会議の判断は、内需拡大を最上位課題とした背景を端的に示している。消費と投資の両面から同時に力を入れ、「消費喚起の重点行動の実施」「都市・農村住民の所得増加計画の策定」「中央予算内投資規模の適度な拡大」などの施策が打ち出された。
消費活性化の前提は所得の増加にある。董煜は、都市・農村住民の所得増加計画を通じて消費の土台を強化することが、持続可能な内需拡大につながると指摘する。国家発展改革委員会マクロ経済研究院の黄卫挺・意思決定コンサルティング部副主任も、「第15次五か年計画」に基づく重大プロジェクトの本格始動と中央予算内投資の拡大が、投資の安定回復を支える重要な下支えになるとの見方を示している。
◾️民生保障はより現実的に
今回の会議は、「民生を最優先とし、国民のために実事を多く成し遂げる」「住民と企業の獲得感を高める」という方針を明確に打ち出した。雇用を民生の基盤と位置付け、大学卒業生や出稼ぎ労働者など重点層の雇用安定を図るとともに、柔軟就業者や新たな雇用形態の労働者が従業員保険に加入できるよう支援する姿勢を示した。教育、社会保障、人口対策の分野でも具体策が打ち出され、民生保障の網は一段ときめ細かくなっている。
羅志恒は、今回の会議が目標志向とリスク対応の姿勢を一層強め、不動産、地方債務、極端気象といった現実的なリスクに正面から向き合い、より具体的な対応策を示した点を評価している。2026年の経済運営は、マクロレベルでの精緻な調整にとどまらず、ミクロレベルでの民生への配慮も色濃く反映されており、マクロ経済ガバナンスの効果が発揮される中で、中国経済は安定を保ちながら前進し、より強い強靭性を示すことになるだろう。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News