【12月18日 AFP】米国下院は17日、「未成年者の性器や身体の切除」を禁止する法案を可決した。トランスジェンダーの子どもに対するジェンダー肯定ケアを事実上禁止する内容で、共和党の優先課題となっている。

右派のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員が提案した法案で、216対211で承認された。今後、上院で採決されることになる。

米国の多くの州ではすでに同様の禁止措置が取られているが、この法案は、こうした行為を連邦犯罪とするものだ。

グリーン氏は「この重要な法案は未成年者に対するジェンダー肯定ケアを禁止する。成人は対象ではない。成人として決定を下すまでに成長していない未成年者が対象だ」と採決前に述べた。

この法案は、女性器切除(FGM)を明確に禁止する一方で、未成年者の体を「生物学的性別と異なる性別に対応させる」ための手術も対象としている。

また、二次性徴を抑制する薬など、薬理学的な医療の一部も禁止する。これらの行為を行ったり支援したりした場合、最大10年の実刑と罰金が科されるとしている。

グリーン議員はまた、「ドナルド・トランプ大統領の大統領令と2024年のすべての共和党議員の選挙公約を直接反映した法案だ」とも述べている。

トランスジェンダーであることを公表して初めて米連邦議員に選出されたサラ・マクブライド氏は、この法案を非難。「共和党の政治家たちが気にしているのは、金持ちをさらに金持ちにし、トランスの人々を攻撃することだけだ」と記者団に語った。(c)AFP