【12月18日 AFP】ロシアの首都モスクワ郊外にある学校で10歳のタジキスタン人児童が15歳の生徒に刺されて死亡した事件について、タジク政府は17日、「民族憎悪」に基づく攻撃だと非難した。タジクが同盟国ロシアを批判するのは異例。

事件はモスクワ西郊にあるオジンツォボ郡ゴールキ2村の学校で発生。

重大事件を担当するロシア連邦捜査委員会は、15歳の生徒を容疑者として拘束・勾留していると述べた。

タジク当局は、死亡した10歳児童がタジク国民であることを確認し、ロシア大使を呼び出して抗議した。

外務省は、この事件は「民族憎悪に動機づけられたものだ」と述べた。

同省の声明によると、大使には「ロシアに対し、この痛ましい事件について直ちに、客観的かつ公平な捜査を行うよう要求する」旨の書簡が手渡された。

内務省も別の声明で、今回の事件が「一部の過激な民族主義グループによる同様の犯罪への扇動や挑発の口実となる」ことを懸念していると述べた。

これに対しロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は同省のウェブサイトで、「タジキスタン側、犠牲者の遺族、そして事件の被害者に対し心よりお悔やみ申し上げる」「ロシア側は、事件の公平かつ客観的な捜査を確実に行うために必要なあらゆる措置を講じる」と述べた。

ロシアメディアによると、容疑者はネオナチ系のチャンネルに登録しており、事件の数日前にクラスメートらに対し人種差別的な声明文を送っていたという。

ロシアでは数十万人のタジキスタン人が就労しており、その多くはロシア国籍を有している。

世界銀行によると、こうした出稼ぎ労働者から母国に残した親族への仕送りは、タジクの国内総生産(GDP)の約半分を占めている。

だが、ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以来、ロシア以外の国に仕事を求める出稼ぎ労働者も増えている。(c)AFP