【12月15日 AFP】オーストラリア・シドニー近郊のボンダイビーチで14日に発生した銃の乱射事件で、オーストラリア放送協会(ABC)は15日、容疑者の父と息子がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」と関係があった可能性があると報じた。事件では、容疑者1人を含む16人が死亡し、約40人が負傷した。

警察当局は、事件の動機については明らかにしていないものの、反ユダヤ主義的なテロ行為だったとの認識を示している。

捜査担当者がABCに語ったところによると、容疑者の車内からISの旗が2枚見つかったとされるが、ニューサウスウェールズ州警察はこの報告を確認できないとしている。

地元メディアは、父親の名前をサジド・アクラム容疑者と報じた。捜査当局は、同容疑者が警察との銃撃戦の末に死亡したとしている。

アクラム容疑者は銃6丁の所持許可を得ており、警察は、これらすべての銃が事件で使用されたとみている。

トニー・バーク内相によると、アクラム容疑者は1998年に学生ビザでオーストラリアを初めて訪問し、2001年にはオーストラリア市民や永住者の配偶者に与えられるビザを取得した。政府によると、その後、国外への渡航歴が3回あったという。

息子のナビード・アクラム容疑者はオーストラリア生まれの市民。現在はシドニーの病院で警察の監視下に置かれている。

ナビード容疑者についてABCは、「テロ行為」を計画した罪で2019年に有罪判決を受けたISのメンバーと密接な関係にあったとみられると報じた。また容疑者2人がISへの忠誠を誓っていたとみているとした捜査官の言葉も伝えている。

警察は捜査の一環として、シドニー西部の住宅2件を捜索した。

地元メディアによると、1件はナビード容疑者が住んでいたとされるボニーリッグの住宅、もう1件は、2人が犯行前に滞在していたとされるキャンプシーの住宅だった。

ニューサウスウェールズ州警察は、「2人が他の犯罪に関与していたかどうかを調べているが、現時点でそうした履歴は確認されていない」としている。(c)AFP