【12月27日 東方新報】韓国市場で竹製歯ブラシが人気を集め、浙江省(Zhejiang)安吉県の300以上の村カフェでは竹製ストローがプラスチックに代わって使われている……。自然素材の竹が、生活用品の新しい基準づくりを通じて、私たちの日常を大きく変えようとしている。

12月10日午後、安吉県は「竹製収納バスケット」「竹繊維プレート」など6項目の竹製品に関する団体標準を正式に発表した。この一連の標準は、製品技術要件の中に環境影響評価を体系的に組み込んだ点で全国初となる。

安吉県林業局の胡可易(Hu Keyi)局長は記者会見で「今回の標準化は、製品品質と環境価値の両面を同時に規格化した」と説明した。今回発表された標準は「グリーン・安全・実用」を核に、竹編バスケット、竹繊維の食器、竹製家具板など6カテゴリに適用される。

安吉県市場監督管理局の華歆雨(Hua Xinyu)氏によると、今回の標準では「代替による排出削減率」「材料置換率」「製品更新率」などの定量指標を、製造現場で実際に適用できる具体的な要件として落とし込んでいる。つまり、今後「以竹代塑(竹でプラスチックを代替)」の認証を受けた竹製品は、品質基準だけでなく、明確な環境基準も満たす必要があり、消費者はエコ性能の見える化によって購入判断がしやすくなる。

「中国竹郷」として知られる安吉県には豊富な竹資源と産業基盤があり、竹産業の企業はすでに1000社近くにのぼる。そのため「竹でプラスチックを代替する」という取り組みは、すでに安吉の暮らしの中に深く浸透している。ある竹製品メーカーが製造する竹歯ブラシは、独自の熱曲げ加工で握り心地を改良し、ホテルや民宿で使われてきた使い捨てプラスチック歯ブラシに代わるものとなっている。同社製品の約70%は海外に輸出され、とくに韓国で高い人気がある。

また、安吉の村カフェ300店以上では竹パルプのストローが採用され、2024年の販売本数は5億本に達した。さらに、ホテルや民宿では、歯ブラシ、くし、スリッパなど竹製の「日用品6点セット」が標準で備え付けられ、累計で500万セット以上の使い捨てプラスチック削減につながっている。安吉で育まれた「竹でプラスチックを代替する」取り組みは、今や国際舞台にも進出している。2025年3月にタイ・バンコクで開催されるアジア太平洋地域のプラスチック汚染対策会議では、竹製バッグやノートなど安吉産の竹製品が展示され、中国の取り組みを世界に紹介する予定だ。

安吉県農高新集団傘下の安吉優品公司の顧榮杰(Gu Rongjie)氏は、今回制定された標準を活用し、安吉の「竹でプラスチック代替」製品を全国へ、そして世界へと広げていく方針を示した。今後安吉県は、この標準化を契機に「標準+産業+エコ」の一体的発展を深め、生産・流通・消費の全工程における標準適用を推進し、世界的なプラスチック汚染対策に対して「エコを優先し、標準が支え、産業が後押しする」中国のモデルを提示していく考えだ。(c)東方新報/AFPBB News