【12月13日 AFP】欧州連合(EU)加盟国は12日、中国発の通販サイト「SHEIN(シーイン)」や「Temu(テム)」、「AliExpress(アリエクスプレス)」などを通じた安価な製品の輸入急増に対処するため、2026年7月から150ユーロ(約2万7400円)未満の少額輸入品に対し、一律3ユーロ(約550円)の関税を課すことで合意した。

EU域内には昨年、少額品が46億個輸入され、1秒当たり145個を超えるペースとなった。その91%は中国から輸入されたもので、その数は今後も増加する見通しだ。

EUは域外から発送された150ユーロ未満の輸入品(多くの場合、中国発の通販サイト経由)に対する関税を免除してきたが、先月これを廃止することで合意した。

関税は来年7月1日から暫定的に導入され、EUが少額輸入品への課税に関する恒久的な解決策を策定するまで継続される。

欧州理事会は声明で、「現在、こうした少額輸入品がEU域内に無税で流入することで、EUの小売業者にとって不公平な競争、消費者の健康と安全へのリスク、詐欺の横行、そして環境への懸念につながっている。この暫定措置は、こうした状況に対応するためのものだ」と述べた。

欧州の小売業者は、EUの厳格な製品規則を必ずしも順守していない中国発の通販サイトとの不公平な競争にさらされていると主張している。

EUの主要国であるフランスは、こうした少額品が昨年約8億個輸入されたこと、国内から対策を求める強い声が上がっていることから、この問題を優先事項としている。

フランスのロラン・レスキュール財務相は、少額輸入品に対する課税を「EUにとっての大きな勝利」と呼び歓迎。「欧州は単一市場、消費者、そして主権を守るために具体的な措置を講じている」と述べた。(c)AFP