エルサルバドルに誤送還された男性、米移民収容施設から釈放
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【12月12日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領による移民取り締まりを巡る論争で中心人物となったエルサルバドル人男性が、長い法廷闘争の末に米国の移民収容施設から釈放された。11日、弁護士が明らかにした。
米メリーランド州在住で米国人女性と結婚しているキルマー・アルマンド・アブレゴ・ガルシア氏は、今年3月に誤って国外追放された後に米国へ戻ったが、移民・税関執行局(ICE)に拘束されていた。
弁護士のサイモン・サンドバルモーシェンバーグ氏はAFPに対する電子メールで、「彼は釈放された」と認めた。
トランプ政権は、同氏が他の不法移民の密入国に関与する悪名高い犯罪組織「マラ・サルバトルチャ(MS-13)」の一員だと主張しているが、本人は否定している。
アブレゴ・ガルシア氏は今年3月、他の200人とともにエルサルバドルの刑務所に送還された。6月に米国へ戻ると、テネシー州で人身売買容疑によって再び拘束され、8月の裁判を待つまで厳しい条件付きで保釈された。
しかしメリーランド州に戻った後、再びICEに拘束されると、アフリカ4か国のうちのいずれかに国外追放される予定だった。その後アブレゴ・ガルシア氏は、受け入れの意向を示したコスタリカに向かう準備ができていると話していた。
メリーランド州連邦地裁のポーラ・クシニス判事はこの日、アブレゴ・ガルシア氏が「合法的な退去命令なし」にICEに拘束されていたと結論づけた。
「拘束は退去を実現するための基本的な目的に過ぎず、もはや拘束を続けるべきではないことをさらに裏付ける」とし、国外追放に対する異議申し立てが進行する間、政府に対し直ちにICEから釈放するよう命じた。
国土安全保障省(DHS)のトリシア・マクラフリン報道官は、この判決は「司法積極主義」だと非難し、この命令には根拠がないとしている。(c)AFP