【12月11日 AFP】中国とロシアの爆撃機が9日に日本周辺で共同飛行したことをめぐり、日本政府は10日、は中ロ両国に「安全保障上の重大な懸念」を伝えた。

日本政府によると、ロシアの核兵器を搭載可能なTu95爆撃機2機が9日、日本海から飛来し、東シナ海で中国のH6爆撃機2機と合流した後、日本周辺で共同飛行した。

高市早苗首相の台湾有事答弁を受け、日中は抜き差しならない対立関係にある。

小泉進次郎防衛相は10日、X(旧ツイッター)に、「(中ロ)両国による度重なる爆撃機の共同飛行は、わが国周辺における活動の拡大・活発化を意味するとともに、わが国に対する示威行動を明確に企図したものであり、わが国の安全保障上重大な懸念です」と投稿。

「航空自衛隊は、これに対して、南西航空方面隊等から戦闘機をスクランブル発進させ、対領空侵犯措置を厳正に実施しました」と付け加えた。

木原稔官房長官は10日の記者会見で、中ロ両国に外交ルートで「安全保障上の重大な懸念」を伝えたと明らかにした。

韓国も10日、前日に中国とロシアの軍用機が韓国の防空識別圏(ADIZ)に侵入したことについて、ソウル駐在する両国の国防担当大使館員に抗議したと発表した。

韓国国防省国際政策室のLee Kwang-suk室長は韓国防空識別圏(KADIZ)に言及し、「わが軍はKADIZ内における近隣諸国の航空機の活動について、引き続き国際法を順守ながら積極的に対応していく」と述べた。

中国軍機とロシア軍機は、KADIZ侵入前に発見され、韓国は戦闘機を緊急発進させて対応したという。(c)AFP