【12月6日 AFP】中国を訪問したフランスのエマニュエル・マクロン大統領は5日、南西部の四川省成都の大学を訪問した。歓声を上げる若いファンたちの中を警護隊に守られて進み、政治家というよりロックスターをほうふつとさせる歓迎を受けた。

大学の体育館の外には、学生と地元住民数百人が列を成した。中にはマクロン氏の到着を何時間も前から待っていた人もいた。

材料工学科の学生(21)は、「マクロン大統領が成都と私たちの四川大学に来てくださり、大変うれしい。光栄だ」と語り、マクロン氏を「チャーミング」と評した。

学生たちが携帯電話のカメラでマクロン氏の写真を撮りまくり、マクロン氏の中国訪問に関する話題はソーシャルメディアを通じて瞬く間に広がった。

マクロン氏は5日朝にも、地元の公園で予告なしにジョギングをしているところを撮影され、騒ぎとなっていた。

20歳の学生は、「オンラインでジョギングの動画を見た。彼の体はまだとても引き締まっていて、とても健康そうだ」と語った。

マクロン大統領が午後3時(日本時間同4時)ごろに到着すると、学生たちは握手を求めて押し合いへし合いした。2023年に中国・広州の大学を訪れた際の熱狂的な光景をほうふつとさせた。

マクロン氏は、北京で習近平国家主席と会談。両国政府間の関係について協議し、マクロン氏はウクライナ停戦への道筋について中国の支持を取り付けようとした。その後、4日夜に成都に到着した。

■パンダ外交

四川大学の学生たちは、マクロン氏の訪問が両国の学術的なつながりの強化につながることを期待していると述べた。

先述の材料工学科の学生は会場に入る際のセキュリティーチェックに並びながら、「私たちの大学とフランスの間で、協力プロジェクトをいくつか実施すべきだと思う」「中国とフランスはそれぞれ異なる分野で強みを持っているので、互いに学ぶことができる」と述べた。

マクロン氏が午後を視線大学のキャンパスで過ごす間、妻のブリジット氏は成都のジャイアントパンダ繁殖研究基地を訪問した。

両国は、2027年までに中国からフランスに新たにパンダ2頭を送る協定に署名した。これは、最近フランスの動物園から成都に返還されたパンダ2頭の代わりとなるものだ。

臨床医学を専攻する学生は、「パンダをフランスに送ることは、中国とフランスの人々の非常に友好的な交流を示すものだ」「私たちは、この協定が両国の友好関係をさらに促進することを心から願っている」と述べた。(c)AFP