ユーロビジョンでボイコット表明相次ぐ、イスラエルの参加決定受け
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【12月5日 AFP】欧州国別対抗歌謡祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」の主催者が、イスラエルの今後の参加について投票を行わず来年大会への出場を認めたことを受け、3か国がボイコットを表明した。
離脱を決めたのはスペイン、アイルランド、オランダで、アイスランドも参加の可否を検討している。
パレスチナ自治区ガザ地区での紛争に対する反対から、イスラエルを大会から排除すべきとの声が高まっていた。また、前回大会ではイスラエルに有利になるよう投票操作があったとの疑念もある。
主催者である欧州放送連合(EBU)はスイス・ジュネーブでの会合後、「大多数の加盟局が出場について追加の投票は不要と判断し、2026年のユーロビジョン・ソング・コンテストは新たな安全策の下で予定通り開催されるべきだ」と述べた。
ベルギー、フィンランド、スウェーデンもガザ情勢を理由にボイコットを検討していたが、スウェーデンの放送局STVは新規則を支持し、来年の開催国オーストリアが安全面を真剣に受け止めていると理解していると述べ、「参加する」と表明した。
イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領はEBUの決定を歓迎し、「イスラエルは世界のあらゆる舞台で代表されるべきだ」と述べた。
一方で、大会での投票には以前から疑惑の目が向けられいる。今年の大会では、2023年10月7日のイスラム組織ハマスによる攻撃を生き延びたユバル・ラファエルが、国別審査員の低評価にもかかわらず一般投票で急浮上し2位となった。また昨年大会でも、エデン・ゴランが審査員の低得点にもかかわらず一般投票で5位に押し上げられ、操作疑惑が浮上した。
ユーロビジョンの採点はまず専門審査員が行い、その後に電話やSMS、オンラインによる一般投票が加わり、順位が大きく変動する。
各国は自国に投票できないが、オランダの公共放送AVROTROSはイスラエルが「海外の一般投票を働きかけることで不正干渉した」と非難している。(c)AFP