【12月11日 東方新報】中国国家郵政局は、11月末時点で国内の宅配便取扱件数が初めて1800億件を超えたと発表した。ネット通販市場の拡大と物流網の成長が続く中、宅配需要は近年さらに加速している。

今年の「第1800億件目」となった荷物は、深セン市(Shenzhen)の市民が購入した学習用タブレットだった。倉庫での自動仕分け、無人配送車による輸送を経て届けられ、物流現場で自動化が急速に広がっていることを象徴する事例となった。

郵政局によると、倉庫では搬送ロボットや自動入庫ステーションが普及し、仕分け工程ではAI画像認識モデルにより誤仕分けや紛失を減らしている。輸送ルートの最適化でもAIが活用され、ドローンや無人車による集配の試験導入も進む。こうした技術導入により、1日の最大取扱件数は7.77億件、1秒あたり6200件超という処理能力に達した。

地域別では、中西部地域の宅配便収入と取扱量がいずれも伸び、新疆やチベットなど遠隔地のネットワーク整備も進んだ。政府が掲げる「全国統一市場」構築が進み、物流の広域連携が強まっていることが背景にある。

国家郵政局は「物流は実体経済を支える基盤であり、引き続き効率改善やサービスの質向上に取り組む」としており、宅配業界は今後も成長が続く見通しだ。(c)東方新報/AFPBB News