【12月3日 AFP】韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は3日、台湾をめぐり悪化する日中関係について、韓国はどちらの側にも立つべきではないと述べ、中立の立場を取る意向を示した。

李氏は記者会見で、「韓国には『けんかは止め、取引は助けよ』ということわざがある。日本と中国は対立しており、どちらかに肩入れすれば対立を激化させるだけだ」と述べた。

「理想的なアプローチは、共存し、互いを尊重し、可能な限り協力することだ」と述べ、北東アジアを「軍事安全保障上、非常に危険な地域」と表現した。

高市早苗首相が11月7日の衆院予算委員会で、台湾有事をめぐって日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に該当する具体例を問われ、「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になりうるケースだと私は考える」と答弁したことに中国は猛反発。日中の対立が激化している。

中国は自国民に対し日本への渡航自粛を要請するとともに、11月28日に中国・上海で開催されたイベントで、人気アニメ「ワンピース」の主題歌を歌う歌手大槻マキさんの公演を中断させるなどいくつかの文化イベントを中止させている。

中華人民共和国(中国共産党)は台湾を統治したことが一度もないにもかかわらず、台湾は自国領土の一部だと主張し、武力を行使してでも併合すると脅している。(c)AFP