【11月28日 AFP】ウクライナに侵攻するロシアのウラジーミル・プーチン大統領は27日、同国が領有権を主張する領土からウクライナが撤退すれば攻撃を停止するが、しないなら、武力で奪取すると述べた。

兵力と装備で優位に立つロシア軍は、多くの犠牲を払いながらも、ゆっくりとだが着実にウクライナ東部の領土を削り取っている。一方、米国は4年近く続くウクライナ紛争終結に向けた取り組みを再開し、和平案を提示した。

プーチン氏は訪問先のキルギスで、「ウクライナ軍が今も保持する領土から撤退すれば、軍事作戦を停止する」「しないなら、軍事力で達成する(ウクライナ軍を撤退させる)」と述べた。

ロシアはウクライナ領の約5分の1を支配している。ウクライナが決して譲歩しないと表明している被占領地問題は、和平プロセスにおける最大の障害の一つとなっている。

和平プロセスにおけるもう一つの重要な問題は、ウクライナに対する西側諸国による安全保証だ。ウクライナは、ロシアによる将来の再侵攻を防ぐのに不可欠だと主張している。

米国の当初案は、ウクライナを支援する欧州諸国の意見を反映せずに起草されたもので、ウクライナが東部ドネツク州から撤退し、米国が事実上、ドンバス地域(ドネツク、ルハンスク両州)、南部クリミア半島をロシア領として承認する内容だった。

ウクライナと欧州からの批判を受けて、米国は先週末に当初案を修正したが、まだ公表していない。

米国が28項目から約20項目に縮小したと見られている修正案を見たプーチン氏は、これが交渉のきっかけになる可能性があると述べた。

「全体として、これが将来の合意の基礎となり得るという点でわれわれの見解は一致している」が、ロシアは依然として併合したウクライナ領土の法国際的承認を求めていると付け加えた。

ウクライナ大統領府のアンドリー・イェルマーク長官は27日に公開された米メディア「アトランティック」のインタビューで、これを強く否定。

「(ウォロディミル・)ゼレンスキー氏が大統領である限り、われわれが領土を放棄することを期待するべきではない。彼が領土を放棄することはない」「今現実的に議論できるのは、1100キロに及ぶ境界線を定めることだけだ」と述べた。