X JAPANのSUGIZO=インスタグラム(c)news1
X JAPANのSUGIZO=インスタグラム(c)news1

【11月27日 KOREA WAVE】地球の反対側、ブラジル・アマゾンの玄関口ベレンでは現在32度の夏を迎えている。ここでは2025年に開催予定の「第30回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP30)」に向けた準備が本格化しているが、最も注目を集めたのは、政治家や企業代表ではなく、20代のK-POPファンたちだった。

現地のブルーゾーンでは「K-POPファンによる気候アクション」フォーラムが開催され、国際社会におけるエンターテインメント産業の脱炭素化が主要テーマとして議論された。

フォーラムには、韓国のキム・ソンファン(金星煥)気候エネルギー環境相や国連文化基盤気候行動連合(GFCBCA)の共同議長ヴィニシウス・ギットラー氏も出席。ファンダムの影響力が国際気候政治の舞台で認められた象徴的な瞬間となった。

世界の音楽業界では、低炭素公演への取り組みが加速している。ビリー・アイリッシュは2024年の「ロラパルーザ」で太陽光パネル136枚を設置し、自家発電でステージを運営。コールドプレイは観客の動きをエネルギーに変換する「キネティック・フロア」を導入し、マッシヴ・アタックは再生可能エネルギー由来のバッテリーでディーゼル使用を98%削減した。

また、米国の「フォトラ・フェスティバル」では、100%バッテリー稼働のステージを実現し、ディーゼル6053ガロンの削減に成功している。

さらに注目を集めたのは、日本の伝説的ロックバンドX JAPANのSUGIZO(スギゾー)が所属するLUNA SEAの取り組みだ。今年の「LUNATIC FEST」では、出演アーティスト全員のステージを水素燃料電池で稼働。水素自動車8台分の電力でステージを支えた。SUGIZOは「音質も向上した」と述べ、アジアのエンタメ業界における技術革新の一例を示した。

これに対し、K-POP業界はまだ環境対応が遅れているとの指摘もある。市民団体「KPOP4Planet」がHYBE(ハイブ)、JYP、YG、SM、CJ ENMなど主要事務所を調査したところ、リサイクルグッズやアップサイクルの取り組みは進展が見られたものの、最大の温室効果ガス排出源であるコンサートの電力・移動手段では、再生可能エネルギーの活用実績がゼロだった。

とはいえ、K-POPファンたちの組織力と行動力はCOP30で国際的な評価を受けた。今回の議論が、産業界に「どのような未来を選ぶべきか」を問いかけている。

世界の音楽界ではすでに太陽光・バッテリー・水素発電などが導入されており、K-POP業界にも技術実証とエネルギー転換の可能性は十分あるとみられる。

気候危機は、文化産業も例外ではない。「脱炭素公演」は今や生存戦略であり競争力の源泉でもある。アマゾンのCOP30準備の現場で注目されたK-POPが、今後どのような「ステージ」を選択するのか――その答えが、気候危機時代の音楽業界を方向づけることになるだろう。【news1 ファン・ドクヒョン記者】

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News