■「麻薬」のようなもの

ジャカルタでは、当局による取り締まり強化を受けて、すでに犬肉取引は事実上、地下にもぐっている。

かつて犬肉料理を大々的に宣伝していたレストランもそうした行為をやめ、店主が一見の客に犬肉取引について話すことはなくなった。市場でも、犬肉が公然と販売されることはなくなった。

スングルさんによると、犬肉取引をめぐるタブーにより、店側に信頼された常連客だけが犬肉を購入できるようになり、今では牛肉よりも高価になっているという。禁止以前から、「犬肉を買うのは麻薬を探すのと同じだった」という。

買い手がつかなくなった動物たちをどう扱うかについて、明確な計画はない。韓国でも同様の犬肉禁止令が施行されたことで、犬などが売れなくなり、行き場のなくなった犬を抱えた業者が困難に直面している。

アルフィンドさんは、禁止令が施行されれば、犬肉愛好家はジャカルタの野良犬を食べざるを得なくなるかもしれないと主張。

「特別州政府は再考すべきだ」と、犬肉料理を平らげて言った。(c)AFP