【11月27日 AFP】犬肉の食用が禁止されるインドネシア・ジャカルタ首都特別州の閑散とした屋台で、アルフィンド・フタガオルさん(36)は、ご飯とグリーンサンバル、焼いた犬肉をほおばった。

イスラム教徒が多数を占めるインドネシアは、犬肉や猫肉の販売が依然として認められている数少ない国の一つだが、近年、犬肉食の習慣に反対する運動が広がりを見せている。イスラム教徒は犬肉を食べないが、他の一部の宗教の信者が好んで食べている。

ジャカルタ首都特別州は今週、犬や猫を含む狂犬病を媒介する動物の食用を目的とした取引を禁止すると発表した。

施行までに6か月の猶予期間を設けられたこの禁止措置は、長年にわたり取引に反対してきた動物愛護団体に歓迎された。

だが、禁止発表前にAFPの取材に応じたアルフィンドさんは、「このような禁止はあってはならない」「神はそれ(犬)を食用に創造された。マイナス面だけでなく、プラス面も探すべきだ」と語った。

犬肉や猫肉はインドネシアで広く消費されているわけではないが、犬肉は一部の地域でデング熱の家庭薬とみなされている。

別の犬肉愛好家スングル・サガラさん(43)は、犬肉の取引は「突然なくすことはできない」と述べ、犬肉食は一部地域の「伝統」だと説明した。

25日にジャカルタ首都特別州のプラモノ・アヌン知事が発表した禁止措置は、コウモリ、サル、ジャコウネコなど、狂犬病を媒介するすべての動物の食用を目的とした取引を対象としている。

禁止を求めるロビー活動を行ってきた動物愛護団体「ドッグ・ミート・フリー・インドネシア(DMFI)連合」のメリー・フェルディナンデスさんは、「動物福祉を推進する国際都市であるジャカルタ首都特別州政府の真の模範、真のコミットメントを示した」と述べた。

この禁止措置は、犬肉食が依然として盛んな首都以外の地域には適用されないが、同様の動きを「促進する」可能性があるとフェルディナンデスさんは述べている。

DMFIが2021年に実施した世論調査では、インドネシア人の93%が犬肉取引に反対し、禁止を求めていることが分かった。

だが、2022年のDMFIの調査では、同年に推定9500匹の犬が食用目的でジャカルタに持ち込まれたとされる。そのほとんどは、狂犬病が風土病である西ジャワ州から持ち込まれた。

犬肉と猫肉の消費量に関する全国的な統計は入手できていない。