世宗市で試験運行中の自動運転車(c)KOREA WAVE
世宗市で試験運行中の自動運転車(c)KOREA WAVE

【11月27日 KOREA WAVE】韓国も米サンフランシスコや中国・武漢のように、都市全体が自動運転車の実証区域となる「自動運転実証都市」を造成する。また、各種規制も合理化する。

メガ・ニュース(MEGA News)のチュ・ムンジョン記者の取材によると、韓国政府は11月16日、経済関係閣僚会議兼成長戦略TFにおいて、こうした内容を盛り込んだ「自動運転車産業の競争力強化策」を発表した。

今回の対策は、自動運転システムの開発企業や車両メーカーをはじめ、タクシーなどの関連業界、専門家、利害関係団体などから提起された要望を総合的に検討して策定された。「グローバル3大自動運転車強国への飛躍」というビジョンのもと、「レベル3の自動運転車に対する無規制、レベル4の原則許容・事後管理体制の構築」という戦略に基づき、実証・規制・研究開発(R&D)・制度などを全面的に支援する。

都市全体が実証区域となる「自動運転実証都市」には、100台以上の自動運転車が投入され、大企業とスタートアップが共同で参加する「K-自動運転」協力モデルを基盤として運営される。交通弱者地域における自動運転バスの運行支援も拡大する。

国土交通省は、自動運転技術開発の核心である走行データの蓄積を支援し、国民が日常の中で自動運転に接するきっかけが整うことを期待している。

企業による実証やR&Dの障害として指摘されてきた各種規制を合理化する。自動運転AIの学習に不可欠なデータの量と質の両方を確保するため、撮影事実を表示する車両による原本映像データの活用を許可し、個人車両を通じて収集された映像データは匿名・仮名処理後に活用を推進する。

自動運転システム開発企業のみに許可されている仮運行許可を運輸事業者にも拡大し、企業が独自に安全計画を策定することを前提に、交通弱者保護区域での自動運転を許容するなど、実証環境の条件を多方面で改善する。

政府世宗庁舎前で試験走行中の自動運転車(c)KOREA WAVE
政府世宗庁舎前で試験走行中の自動運転車(c)KOREA WAVE

自動運転車の生産および技術競争力の向上のため、関係省庁が共同でR&Dを支援する。政府横断的に自動運転車専用GPUを確保し、AI学習センターを設立して企業のR&Dを支援する。最近、業界で注目されているE2E(End-to-End)技術については、基礎技術を科学技術情報通信省が、商用化技術を産業通商資源省が中心となって開発・協力していく。また、海外機関とのR&D協力が円滑に進められるよう、国内企業に権利が帰属する自動運転技術について国家重点技術の輸出審査を簡素化し、自動運転分野の人材育成のために学生定員を増員するなど、R&D基盤の改善も進めていく。

さらに、ドライバーがいない完全自動運転時代に備え、関連制度を先手を打って整備する。従来のドライバーに代わる法的責任主体の導入など、刑事・行政制裁の対象を明確にし、車両事故発生時の民事上の責任の所在基準を設けるため、「事故責任TF」を関係機関共同で構成・運営する。また、年内に利害関係者による共同の社会的協議体を発足させ、既存の運輸事業者との共存案を協議する。

韓国政府は今回の対策を手始めに、2027年の完全自動運転車の商用化目標の達成に向けて、自動運転交通・輸送サービスの制度化のための自動運転産業管理方策を来年前半までに整備するなど、今後も自動運転車産業の発展を継続的に支援していく。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News